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分散投資とは(解説と具体例)

分散投資とは(解説と具体例)



分散投資とは

分散投資(読み方:ぶんさんとうし|英語:diversified investment/diversification)とは、投資対象を1つではなく複数にすることで投資リスク(価格変動のリスクなど)を軽減させる投資方法のことです。多くの銘柄、あるいは多くの資産クラスに投資対象を分散して、リスクの低いポートフォリオを構築することをいいます。分散投資は、主に中期や長期の投資に使われる投資方法です。分散投資に対して、少数の投資対象に投資する方法を「集中投資(しゅうちゅうとうし)」といいます。



分散投資の具体例

分散投資によって投資リスクを軽減させるためには、主に以下の4つのリスクに対して投資の分散を考えなければなりません。


資産の分散

株式債券為替コモディティ・現金など

地域の分散

国内・米国・欧州・新興国など

通貨の分散

円建てドル建てユーロ建てなど

時間の分散

タイミングを分散


具体的には、例えば「資産の分散」であれば、集中的に一つの株式に投資してしまうと、その企業が万が一倒産してしまったら損失が多大となってしまうため、そのリスクを避けるために複数の株式に資金を分散して投資する方法をとります。投資対象とする複数の株式も、輸出企業と輸入企業など値動きが異なる株式とし、また、金融ショックなど起こればリスク資産(危険資産)である株式は一斉に値下がりしてしまいますので、その際に値上がりが期待できて比較的安全資産とされている債券やもあわせて投資しておくのが分散投資です。

「地域の分散」は、投資対象を先進国である日本や米国、欧州と発展途上である新興国をあわせて投資してリスクを軽減させ、通貨変動に備えて異なる通貨建てリスクを軽減させるのが「通貨の分散」となります。

そして、見落としがちになるのが「時間の分散」です。時間の分散とは、投資するタイミングをズラすということです。投資で利益を得るには安い時に買って高い時に売る必要があるのですが、いつが安い時なのか高い時なのか予測するのは困難です。ゆえに、投資するタイミングをズラしてそのリスクを軽減させる必要があります。具体的には、1度に大きな資金を投資するのではなく、毎月一定額を投資する、などの手法をとります。これが「時間の分散」となります。これら4つの分散を行ってリスクを軽減するのが分散投資です。



国際分散投資とは

国際分散投資(読み方:こくさいぶんさんとうし|英語:international diversified investment)とは、自国以外の海外資産を含めて分散投資することです。



国際分散投資の違い

自国資産のみの分散投資によるポートフォリオに比べ、国際分散投資はリスクとリターンで見て効率的なポートフォリオになると考えられています。それは、相関係数(連動性の強さ)が低いため、リスク低減効果が大きい点が理由となります。また、各国の景気循環経済成長率等さまざまな違いがあるため、自国資産のみの分散投資よりも高いリターンが期待できると考えられています。



財産3分法とは

財産三分法とは、財産を預貯金、株式、不動産の3つにわけて持つという古くから多くの投資家に知られている考え方です。



平均分散アプローチ

分散投資は、実際には単純に投資対象を増やすだけでは分散投資の目的であるリスクの低減をはかることはできません。個別銘柄のポートフォリオであれば、個々の投資対象の非システィマティックリスクをゼロに近づけて、システマティックリスクを取るポートフォリオを構築します。分散投資でリスクの低減を得られることは「財産3分法」などによる経験則で古くから知られていますが、適切な資産配分比率の算出法を示したのが「平均分散アプローチ」という考え方で、これにより相関係数が重要な役割を果たすことが示されました。


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