企業に不祥事が起こると、その企業は信用を失い、株価は大きく下がることになります。狼狽売りが加速して急落・暴落が起こりやすくなります。それと同時に信用リスク の保険の役割を果たすCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のスプレッド(保証料率)も大きく上昇することとなります。
この先、その企業は不祥事を乗り切ることはできるのか・・・
他の企業は助けるのか・・・
国は助けるのか・・・
それともデフォルトに向かってしまうのか・・・
投資家は、そういった先の見通せない不透明な状態を嫌います。「不祥事による影響がどれだけ出てくるかわからない状態」が続いている間は投資家はリスクを負えませんので、その状態が回避されるまで売り圧力が強まり、CDSのスプレッドも下がりにくくなります。この時、その企業の今後を見通す上で見るべきポイントは以下のようになります。
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不祥事が起こった場合に見るべきポイント
@企業の不祥事への対応
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まずは、その不祥事への企業の対応を見ます。経営者はその不祥事に対してどんな発言をするのか、どんな対応をするのか。
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Aその企業の財務を見る
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もし不祥事への対応が甘かったり、経営者が何かしらの失言をしてしまっても、その企業の財務が強ければ不祥事は吸収できますので、財務のチェックを行いましょう。
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Bその企業は社会にとって必要かどうかを見る
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人々が必要としているものを作っているのかどうか、社会にとって必要な企業であるのかどうか。
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C周辺のサポートはあるか?
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生き残るためには周辺のサポートが欠かせません。他の企業は助けるのか、国は助けるのかをチェックしましょう。
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これらをチェックすれば不祥事を起こした企業が、この先、信用力を回復して生き残っていけるかどうかが見通しやすくなります。その上で、今後投資していける企業かどうかを検討してみる必要があります。ただし、基本的には不祥事を起こした企業への投資は避けるべきです。不祥事は1度で済むとは限りませんし、信用の回復には相当な時間を有することがほとんどです。売りが売りを呼ぶ展開が続く可能性が高いですし、株価の動きはいびつとなり、一般的な相場の分析は通用しなくなりますので、投資している方は、まず一刻も早くその株を売ってリスクを回避し、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のスプレッドが下落して、低位安定するまでは投資しないのが賢明です。
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