不動産は金利の上昇に弱い
不動産は金利の上昇に弱いです。というのも、不動産を買うというのは大きな買い物となりますので、大きな買い物をするには大きな資金が必要となります。不動産を買うだけの大きな資金を持っていれば話は別ですが、通常は不動産を買うだけの大きな資金は金融機関から借りてこなければなりません。金融機関から資金を借りる際、その金利が高いか安いかで資金を借りるか借りないの需要は大きく変わってきます。不動産を買う場合は、その資金が多く必要になりますので、金利のわずかな増減でも実際に金融機関に支払わなければならない金利の金額は相当額変わってきます。金利のわずかな増減でも不動産にとっては大きな影響が出てくるのです。
金利が高くなれば金利を支払う額が大きくなり、金融機関から資金を借りてまで不動産を買う人が減るため、金利の上昇は不動産にとってマイナス要因となります。逆に、金利が低下している局面は金利を支払う額が少なくなりますので、ここぞとばかりに金融機関から資金を借りて不動産を買う人が増えてきます。金利が低下すれば不動産は買われやすくなり、不動産にとってはプラス要因となります。
住宅ローンは国債の金利と連動しますので、国債の金利の動向を見て、金利が上がっていれば不動産にとってはマイナスだな、金利が下がっていれば不動産にとってはプラスだな、といった見方ができます。
REITについて
REIT(リート)とは、「不動産投資信託」のことで、日本の代表的な会社型投資信託(ミューチュアルファンド)の一つです。日本の不動産投資信託のことを「J-REIT」と言い(米国でもREITはありますので、それと区別して「J-REIT」としています)、REITは、投資家から資金を調達し、その資金で不動産へ投資して賃貸収入や売買益を投資家に分配する仕組みの投資信託です。REITは取引所に上場されており、市場で売買することができます。
J-REITは、分配金(株でいう配当金)が魅力の金融商品で、為替の影響を受けにくい面があるのが特徴です。J-REITは年に2回決算を行うものが多いので、年2回分配金を受取ることができます。
J-REITは、不動産投資で儲けた収益の90%超を分配金に回すなど、一定の条件をクリアすれば法人税がかからない仕組みになっていますので、収益のほとんどを分配金として受取れることになります。ゆえに、賃貸収入が増えたり、不動産売却益が増えれば分配金は増えます。利回りは3%から5%で推移しますが、もし3%を割れば利回りとしての魅力がなくなり、売られやすくなる傾向があります。
REITを見る際は、合わせてインフレ率も見ておきましょう。インフレ率が上昇すればREITも上昇しやすいですし、金融緩和もREITにとってはメリットとなります。また、REITは金利の動向にも左右されます。金利が上がればローン金利も上がってしまうので、不動産にとってはマイナス要因となり、金利が下がればプラス要因となります。
REITや国債の利回りの推移
REITの推移や、日本や米国の国債の利回りの推移は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。
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金利特集
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