インフレとは
インフレ(インフレーション|英語:Inflation)とは、持続的な物価の上昇のことで、供給より需要の方が多い状態のことを指します。緩やかなインフレの状況が経済にはよいとされています。
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インフレになると?
インフレになると物価が上昇しますので、物価が上がる前に買っておこうとする人が増えて供給が間に合わなくなります。供給が下がるということは欲しくても商品がないという状況ですので、少々高くても買いたい人が増えて物価は上がります。物価の上昇を止めるには、みんなが買うのをやめればいいのですが、ここに”合成の誤謬”という現象が働き、物価の上昇はなかなか止まりにくくなります。
合成の誤謬とは
合成の誤謬(読み方:ごうせいのごびゅう|英語: fallacy of composition)とは、みんなが同じことをすることです。インフレの時でもデフレの時でも起きる現象です。
景気とインフレの関係・変わる消費動向・バランスが崩れると景気悪化に
一般的に「好景気」は誰にとってもよいことだと定義されています。モノが売れて企業業績が上がり、従業員の給料が増えて欲しいものが変える、といった循環が効くという考え方があるからです(これと同時に物価は上がります)。
企業は利益を求めて少し価格を上げても売れるだろうと思いますし、消費者は給料もボーナスも上がるので、インフレが初動のうちは消費者はあまり気にしません。
ただ、物価が本来の価値に比べて割高になってくると、消費者は「本当にこれはこんなに価値があるのか」と思い始め、同じ品質でより安いものを探すようになります。そうなれば、値上げした企業はモノが売れなくなり業績が悪化。景気も過熱感がでてきて消費者は節約するようになり、次第に不景気になっていきます。不景気がヒドくなればデフレになります。
このように、インフレと好景気、デフレと不景気はセットで考えるのが一般的です。一方、不景気なのに物価が高いという状態もあります。これを「スタグフレーション」といいます。これは景気と関係のない物価上昇で、デフレ同様に最悪な状態と考えられています。
インフレ時の通貨の価値
インフレになると、その国の通貨価値にも影響が出てきます。インフレとは物価の上昇のことですので、モノを買うのにたくさんのお金が必要となってきます。よって、その国の通貨の価値は下がっていきます(円安)。
2種類のインフレ
@ディマンド・プル・インフレ
ディマンド・プル・インフレとは、需要が増えることによっておこるインフレのことです。
例えば、戦後の日本では、3種の神器であった3C(クーラー、カラーテレビ、カー(車))が飛ぶように売れて鉄鋼業は↑。
こういった需要が増えることによっておこるインフレを「ディマンド・プル・インフレ」と言います。
Aコスト・プッシュ・インフレ
コスト・プッシュ・インフレとは、石油など、コストが上昇することによっておこるインフレのことです。
例えば、1973年の第四次中東戦争の際には、石油価格が上昇しました。この石油価格の上昇によってあらゆる物価が上昇し、オイルショック(石油ショック)が起こりました。
こういったコストが上昇することによっておこるインフレを「コスト・プッシュ・インフレ」と言います。ディマンド・プル・インフレより問題となるインフレです。
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インフレを判断するための経済指標
インフレを判断する経済指標は、消費者物価指数(CPI)です。消費者物価指数(CPI)は商品価格の平均的な指数です。よって、CPIが上がり続けていたらインフレと判断できます。
インフレ・ターゲットとは
インフレ・ターゲットとは、中央銀行(日本の場合は日本銀行)が物価上昇率をどの程度にするかの範囲です。インフレ・ターゲットを見れば、中央銀行が物価の上昇率をどの程度にしたいのかがわかります。
インフレで困る人は?
インフレになると通貨価値が下がりますので、働いている人は相対的に給料が上がります。ですが、年金受給者など、入ってくるお金が一定の人は、収入が増えないのに物価だけ上がってしまうこととなってしまいます。
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姉妹サイト「株式投資大百科」より
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