新自由主義 ミルトン・フリードマン
1912-2006 アメリカの経済学者、マネタリスト アメリカ生
近代経済学の父であるアダム・スミスは「市場が自由な経済活動を行うことによって経済はうまくいく」という自由主義の考えの持ち主でしたが、現代の新しい自由主義を唱えたのがミルトン・フリードマン(以下 フリードマン)です。
フリードマンは、マネタリズム(経済のマネタリー(貨幣的)な面を重視するフリードマンが唱えた「貨幣数量説」による通貨政策重視の考え方)を重視するマネタリストとも呼ばれ「世の中のお金の量をコントロールしていれば経済はよくなる」と考えました。
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人間にとって一番大事なことは自由である。人間は自由に行動することが一番素晴らしい。
フリードマンは、自由を重んじるリバタリアン(絶対自由主義)で、他人に迷惑をかけなければ何をやってもいい、と考えていました。なんでも国が禁止するから闇社会というものが生まれる。自由でいいんだ。だから社会保障なども必要ない、社会保障のために税金をとるのは、自由にお金を使っていい権利を侵害している、としました。
こういったフリードマンの考え方(”小さな政府”推進)は、アメリカの共和党に支持されました。アメリカのレーガンやイギリスのサッチャーもこの考えを支持した政策をとり、日本では中曽根政権や小泉政権の時にこういった政策をとりました(具体的には、この時NTTやたばこ産業、JR、郵政などが民営化されました)。
[参考]
そして、フリードマンは国民の自由を守るための2つの基本原則を提唱しました。
- 国防(外敵や国内の事件から国を守るのは政府の仕事である。政府が国を守らなければならない)
- 政府がやることを州や地方自治体に任せる
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2が少しわかりにくいですが、これはこういうことです。
政府がやることは、なるべく州や地方自治体に任せておいた方がうまくいく。国民は国のやり方が気に入らなくても国から出ていくことはなかなかできないけど、州や市町村のやり方が気に入らなければすぐ引っ越して他へ行くことができます。州や市町村は、政策を間違えれば州や市町村がから人が出ていってしまうので、下手な政策は打てなくなるので結果的にうまくいく、ということです。
また、フリードマンは「資本主義と自由」という本の中で”政府に委ねるべきでない施策リスト”として14項目の必要でない施策を上げています。その内容は次ページで。
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