経済とは
経済(読み方:けいざい|英語:economy|エコノミー)とは、語源は”経世済民(けいせいさいみん)”という中国語で、”世をおさめ、民を救う”という意味を持つ言葉です。「エコノミー」の略語として、福沢諭吉が作ったとされています。
経済とは、経済主体(以下で解説します)が経済活動を行うことによって生じるお金の流れです。人間の生活に必要なモノやサービスを生産・分配・消費する行為についての社会的関係です。簡単にわかりやすく言えば、「金銭のやりくり」のことです。
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経済活動とは
経済活動(けいざいかつどう)とは、お金の動きを伴う活動のことです。私たちはモノやサービスを手に入れるためのお金を、給料から出したり、子供であればお小遣いから出したり、お年寄りであれば年金から出したりして、なにかしらお金を手に入れて金銭のやりくりをしています。こういったお金の動きを伴う活動を「経済活動」といいます。
経済主体とは
経済活動を行うものを経済用語で「経済主体(けいざいしゅたい)」といいます。主体とは「中心になる」という意味です。
経済主体は以下の3つに大別されます。
- 家計とは
- 家計(かけい)とは、一般的には毎日の生活費のことを言う場合が多いですが、経済学的には、私たち個人をまとめた表現です。「個人」をまとめた呼称です。家計、つまり私たちは、働いて収入を得たり、貯蓄や投資で収入を得てモノやサービスを購入したり、さらに貯蓄や投資をしたりしています。そして、その貯蓄や投資されたお金で企業は活動を行っています。ゆえに、家計は経済主体の中で「お金の貸し手」となります。
- 企業とは
- 企業とは、営利目的の組織です。モノやサービスを提供するための設備投資や雇用にお金を必要としていいます。そのお金を調達するために銀行からお金を借りたり、株式や債券を発行して資金をまかなっています。ゆえに、企業は経済主体の中で「お金の借り手」となります。
- 政府とは
- 政府(国)とは、経済では国や地方公共団体のことをいいます。政府は家計や企業から税金をとったり、国債や地方債を発行して資金調達し、それを元手に公共事業などのサービスを提供しています。ゆえに、政府は経済主体の中で「お金の借り手」となります。
経済は、この「家計」「企業」「政府」の3つの主体でできています。
経済循環とは
上記のように、経済では家計は「お金の貸し手」、企業と政府は「お金の借り手」となります。この3つの経済主体の間でお金やモノ・サービスなどが交わされる流れを「経済循環(けいざいじゅんかん)」といいます。
経済学を学ぶ
経済学は、限られた資源の最適な配分を考える学問です。あらゆる資源には稀少性があり、限られていますので、それらをどう選択し最適に配分するかを考えるのが経済学です。経済学は、選択の学問とも言え、それらをどう選択するのかが重要となります。何かを選択するということは、その他を捨てるということですので、資源を最適に配分するためには、何を選択し、何を捨てるのかを考える必要があります。
社会主義経済とは
社会主義経済(しゃかいしゅぎけいざい)とは、過去、ソ連や中国などたくさんの国々で使われていたシステムで、一部のエリート官僚が資源の最適な配分を考えて国民に配給するというシステムです。
経済学の種類
経済学にはいくつか種類があります。
戦後直後に台頭していたのは、
現代では、
- ・マクロ経済学
- 日本や世界規模の景気を大きく捉える経済学
- ・ミクロ経済学
- マクロ経済学より小さく捉える経済学で、家計や企業のメカニズム、法則を考える経済学
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があります。
「経済」とひとくくりに言っても、家計の経済と企業の経済、政府の経済とでは、規模も内容も大きく違います。ひとくくりに考えるのは無理があります。そこで経済学者は、規模に応じて経済を大きく2つに分けて考えることにしました。それが「マクロ経済」と「ミクロ経済」です。
経済は、それぞれの経済主体が、それぞれの満足度を最大限に高めようとした結果、成立すると考えられており、私たちひとりひとり、企業のひとつひとつに注目することを「ミクロ的」といい、それに注目した経済学の分野を「ミクロ経済学」といい、国や世界規模の経済に注目した経済学の分野を「マクロ経済学」といいます。
マクロ経済学は鳥の目
マクロ経済学は、国や世界全体の経済を分析する学問です。世間にどれだけお金が出回っているか、貿易は黒字なのか赤字なのか、景気は好況なのか不況なのか、そういった国全体を見渡す広い視点が必要なので「鳥の目」と例えられることが多いです。国全体のお金の動きを把握して、国の経済を健全に保つことを分析する学問です。
マクロ経済学では、雇用、生産、物価、景況感(センチメント)、貿易収支、マネタリーベースなどの経済指標や、株価や為替、金利なども含めて見渡し、今の経済はどうなっているのか、これからどうなっていくのかを分析する学問です。
ミクロ経済学は「アリの目」
マクロ経済学に対して、家計や企業の経済活動がどのように行われているのかを分析するのがミクロ経済学です。個々の経済活動を細かく分析する目が必要であるため、ミクロ経済学は「アリの目」と例えられることが多いです。
マクロ経済学は国や世界全体の経済を分析しますが、それらは家計や企業の経済活動の積み重ねです。家計はどんな消費をしているのか、どんな労働をしているのか、企業はどんな生産をしているのか、どんな雇用をしているのか、ミクロ経済学はそれらの行動を分析対象としています。
また、ミクロ経済学は「財(ざい)」の価格も分析対象としています。財とは、モノやサービスのことです。経済用語でモノやサービスのことをまとめて「財」といいます。
財の価格は、売り手と買い手が納得する価格で決まります。それは当たり前のことに見えると思いますが、経済ではとても大事なことで、売り手と買い手のやり取りが経済の基本となっています。財の価格は、つまり需要と供給のバランスで決まりますが、ミクロ経済学は財の価格の決まり方も「価格理論」として研究しています。
当サイトでは、それらの経済学の基礎を踏まえた上で、次ページから経済について解説していきます。
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