乗数効果(読み方:じょうすうこうか|英語:Multiplier effect)とは、投資によって新たな需要を生み出すことです。政府が社会に公共事業などの投資をしたとき、社会にはその投資額の何倍かの効果が出る、という意味です。
例えば、政府が新しい道路をつくるために、A社という大手の建設会社に100億円出したとします。A社はその100億円の中から、道路建設のために必要なB社という子会社の建設会社に50億円を支出。B社は受け取った50億円の中から、道路建設のために必要なC社という機材メーカーに25億円を支出。C社は受け取った25億円の中から、道路建設のために必要なD社という資材メーカーに12億円支出。D社は受け取った12億円の中から・・・といった具合に、政府が道路建設のために支出した100億円が連鎖して、多くの企業の収入を増やします。
注目は、最後の合計の数字です。「197億」となっています。 政府は100億円しか出していないのに、社会には197億円の効果が出たのです。これが乗数効果です。この例の場合だと、乗数効果は1.97倍ということになります。約2倍です。要するに、政府が支出した額の約2倍の効果が社会にもたらされたことになるのです。 さて、上記の例では乗数効果は約2倍となりましたが、乗数効果の↑↓には、消費性向と貯蓄性向というものが影響してきます。その解説は次ページで。
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