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米国10年国債と利回りをわかりやすく解説・為替や金融政策への影響

米国10年国債



米国10年国債とは

米国10年国債(読み方:べいこくじゅうねんこくさい|英語:us government bonds 10 year)とは、米国の財務省が国の運営に必要な資金を集めるために発行する、償還期間が10年の国債のことです。


償還期間

償還期間(しょうかんきかん)とは、発行した債券を全額償還するまでの期間です。


償還

償還(しょうかん)とは、債券の発行者が額面金額を投資家に返済することです。


額面金額

額面金額(がくめんきんがく)とは、債券に記載された債券の価格のことです。債券は、最低取引単位を乗じた金額である「額面×最低取引単位」が額面金額となります。額面とは、債券に記載された基準となる価格です。額面は、最低取引単位が神されていないのが特徴です。


国債の解説

国債(こくさい)とは、国が発行する債券のことです。国が国の信用をもとに発行する証券方式の借入金とも言えます。証券とは、財産上の権利を表す証書で、証券は一定の権利と義務、法律上効力を持っており、金融商品取引法では「金融商品」にあたるものです。証券の中で財産的価値のある株式や債券などを「有価証券(ゆうかしょうけん)」といいます。有価証券は、民法や商法では「財産権を表す証券」と定義されています。

国債は国の信用をもとに発行されるため、安全な資産として捉えられています。国債が発行される時には償還期限(満期日)と利率(表面利率)が決められていて、償還期限がくると国債を購入した人は元本と利息を受取ることができる仕組みになっています。ただし、国の財政上の問題によっては受取ることができないこともあります。それを債務不履行(デフォルト)といって、国が一方的にそれを決定する場合があります。


金融商品

金融商品(きんゆうしょうひん)とは、株式や債券、投資信託外国為替、預金、保険、またそこから派生して誕生したデリバティブなど、銀行や保険会社、証券会社などが扱う商品のことです。


表面利率

表面利率(ひょうめんりりつ)とは、、債券の額面金額に対する1年分の利子(貸した金銭に対する報酬として貸主が借主から一定の割合で定期的に受け取る金銭)の割合のことです。表面利率は債券に記載されており「クーポンレート」とも呼ばれます。


元本

元本(がんぽん)とは、投資したお金「元手(もとで)」のことです。つまり、債券へ投資する際のお金です。


→国債の解説は「国債の基礎知識」を参照してください。



米国10年国債は、信用度・売買量ともに世界最大

経済大国である米国の国債は世界的に信用度が高く、その売買量も世界最大であるため、各国からドル建て外貨準備の主要な投資先として利用されています。また、安全な金融商品としての認識も高いため、有事の際は米国の国債に資金が流入しやすい傾向があります。


ドル建て

ドル建て(どるだて)とは、資産価値を「ドル(米ドル)」で表示し、決済もドルで行うことです。決済とは、金銭等によって支払いを行って取引を終了させることです。

例えば、ドル建ての投資信託の場合、投資信託の価格はドルで表示されています。このドル建ての投資信託を日本で売買する場合、購入代金や解約代金はドルで行われます。ゆえに、ドル建ての投資信託を日本円で購入したり解約代金を日本円で受け取るには、日本円とドルを好感する必要がありますので、ドル建ては「為替リスク」を受けることになります。為替リスクとは、このレイの場合であれば、投資信託の価格で利益が出ていたとしても、ドル/円の為替相場の変動によっては損失が出るかもしれないリスクのことです。


外貨準備

外貨準備(がいかじゅんび)とは、政府または中央銀行(日本の場合「日本銀行」)等の通貨当局が、通貨危機等によって対外債務(他国に対する借金)の返済や、輸入代金の支払いが困難になった場合、急激な為替相場の変動に際して為替介入する場合に備えて保有している準備資産のことです。日本では、財務省と日本銀行が外貨準備を保有しています。


外貨準備の内訳

外貨
IMFリザーブポジション
SDR(特別引き出し権)

・その他



米国の国債の種類

米国の国債は、償還期間が1年以下のものを割引債、1年超(2年以上)のものを利付債として発行され、

  • 短期国債である2,3日〜52週間の割引債を「TーBills(Treasury Bills)」
  • 中期国債である2・3・5・7・10年物の利付債を「T-Notes(Treasury Notes)」
  • 長期国債である30年物の利付債を「T−Bonds(Treasury Bonds)」

といいます。米国10年国債は「T-Notes(Treasury Notes)」にあたります。


割引債

割引債(わりびきさい)とは、額面金額が一定額割り引いて発行される債券です。利息がゼロの債券のため「ゼロクーポン債」と呼ばれたり、「ディスカウント債」と呼ばれることもあります。

例えば、額面金額が100万円の場合、割引債は一定額割り引いて発行される債券ですので、額面金額97万円などで発行されます。この場合、この債券に投資した人は償還時に差額の3万円がもらえます。割引債は利息がゼロですので、利息の代わりに額面金額の差額が収益となる仕組みとなっています。


利付債

利付債(りつきさい)とは、償還までの間に定期的に利息(クーポン)が支払われる債券です。つまり、利付債はクーポン付きの債券を意味します。。

割引債は利息がゼロである代わりに額面金額が一定額割り引いて発行されますが、利付債は利息がつく代わりに額面金額で発行されます。

利付債は、「固定利率債(確定利率債)」と「変動利率債」があります。固定利率債の方が一般的で、固定利率債は金利が固定されている債券、変動利率債は金利が変動する債券です。固定利率債は債券の発行時に利息の利率が決まっており、変動利率債は発行後の金利の動向によって利率が変動します。



米国10年国債利回り

米国の国債の中でも、長期金利の指標として見られているのが「米国10年国債の利回り」です。日本10年国債の場合も同様のことが言えますが、10年物の国債というのは、先進国であればほとんどの国で発行されており、残高も豊富で売買も活発であるため、長期金利の指標となっています。特に、経済大国である米国の「米国10年国債」は、金融商品の中でも最大の金融商品として世界中の投資家に認識されて取引されていますので、米国10年国債にお金が集まっているかどうかを見れば、投資家がリスクを取っている状態にあるのか、リスクを回避している状態にあるのかが判断しやすくなりますし、米国10年国債の利回りは為替とも連動しやすいので、とりわけ注目度が高いです。

また、米国10年債の利回りは、米国の金融政策の先行指標としても使われることがありますので、より世界からの注目度は高い国債です。


※米国10年国債の利回りの見方については「金利差」のページの中段を参照してください。


長期金利の解説

長期金利(ちょうききんり)とは、お金を貸し出す期間が1年以上の場合に適用される金利です(1年未満の場合は「短期金利」といいます)。

金利は債券の相場によって動きます。ゆえに長期金利も債券の相場によって動きます。長期金利が指標としているのは「新発10年国債(国が新規に発行する償還期間が10年の国債)」の「利回り」ですので、一般的に「長期金利」と言えば「新発10年国債利回り」のことを指します。例えば「米国の長期金利」と言う場合「米国の新発10年国債利回り」のことを指しています。

債券は、債券価格とその利回りが注目され、債券価格が値上がりすれば利回りは低下し、債券価格が値下りすれば利回りは上昇する関係になっています。ゆえに、新発10年国債が値上がりすれば長期金利は低下し、新発10年国債が値下がりすれば長期金利は上昇します。つまり、新発10年国債が人気になって買う人が増えれば、新発10年国債の価格が値上がって利回りは低下し、長期金利は低下、新発10年国債が不人気になって買う人が減れば、新発10年国債の価格が値下がって利回りは上昇し、長期金利は上昇します。

その他、長期金利の解説は、

のページを参照してください。



米国10年国債の利回りの推移

米国10年国債の利回りの推移は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。

また、景気後退確率(NY連銀公表分)の推移(チャート含む)も「株式マーケットデータ」で確認できます。



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