景気が悪くなればケインズ理論をもとにアメリカが行ったニューディール政策のように、政府が大規模なお金を使って公共事業を増やせば景気がよくなるのですが、ここで一つ問題が出てきやすくなるのです。
それはインフレです。
インフレとは、持続的に物価が上昇することで、供給より需要の方が多い状態を指します。
これまで企業は景気が悪くなれば給料を下げてきました。ですが、労働者は消費者でもあるので、景気が悪くなったからと言ってすぐに給料を減らしてしまえば消費が減り、景気が良くならないと学習したのです。ですから、企業は景気が悪くなったからと言ってすぐには給料を減らさず、それで景気がよくなれば給料を上げました。給料を上げた分は商品を値上げすることによって回収できる・・・と。
ただ、その流れではインフレが加速してしまうという問題点が出てきました。さらにケインズ理論では、政府は国債を発行して大規模なお金を使うので財政赤字が増える、という問題も出てきました。ケインズ理論は、財政赤字は景気がよくなった分の税収で回収できるとしていましたが、実際は政治家が票を集めるために無駄な公共事業を増やしてしまったり、公共事業を行っても思ったような経済効果が出なくなってきて、乗数効果が薄れ、税収では全くまかないきれない状態となってしまったのです。
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