当初、住宅ローン会社が組んでいたサブプライムローンは、その債権が投資銀行にわたり、さまざまな金融商品と組合せられてパッケージ商品となり、そのパッケージ商品は格付け機関から「AAA」の評価を受け、銀行や金融機関、企業や大学、地方団体にいたるまで幅広く買われました(パッケージ商品となったサブプライムローン参照)。
ですが、2006年に米国で住宅バブルがはじけました。それにより土地の値段は暴落し始め、サブプライムローンの債権(お金を返してもらえる権利)の価格も暴落しました。ほぼ紙切れ同然の価値となってしまったのです。
その時、すでにサブプライムローンの債権はパッケージ商品となっており、様々な金融商品と組み合わされていました。そのため、そのパッケージ商品を持っている人たちは、サブプライムローンの債権の価値はなくなったのはわかるけど、パッケージ商品全体としてどれだけ損をしているのかわからない・・・という状態となりました。しかも、そのパッケージ商品の価値を計算するのにも相当時間がかかる・・・こういった状態の時、損害額がわからないので、人は極度に不安になります。
そしてパニックが起こったのです。
銀行や金融機関同士で疑心暗鬼が高まり、
相手はこのパッケージ商品で大損してるんじゃないだろうか・・・
大丈夫なのか・・・
という状態が蔓延し、銀行同士 でのお金のやりとりがストップしてしまいました。この動きは世界にも拡がり、お金の流れが止まってしまったのです。
お金の流れが止まって困ったのは、投資銀行であったリーマン・ブラザーズでした。投資銀行は、プロの投資家からお金を集めてそれを運用して利益を出す銀行です。お金の流れがストップしてしまったので、リーマン・ブラザーズは資金を集めることができなくなってしまったのです。さらに、住宅ローン会社からサブプ
ライムローンの債権を買取っていたのは投資銀行なので、”サブプライムローンでリーマン・ブラザーズは大損しているだろう・・・”と見られて、お金が入って
こなくなり、経営破たんしたのです。
通常、大手の投資銀行(金融機関)が経営破たんすれば経済に大きなダメージがでるので、政府が助けるものなの ですが、当時の米国の政権は共和党(ブッシュ)が握っていました。共和党は「小さな政府」を目指す党で、民間のことは民間に任せるスタンスです。よって、 市場には介入せず、リーマン・ブラザーズを救済しなかったのです。
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