デフレとはデフレ(デフレーション|英語:Deflation)とは、持続的な物価の下落のことで、需要より供給の方が多い状態のことを指します。デフレの時もインフレの時と同様に”合成の誤謬”がはたらいてしまいます。 |
合成の誤謬(読み方:ごうせいのごびゅう|英語: fallacy of composition)とは、みんなが同じことをすることです。インフレの時でもデフレの時でも起きる現象です。
デフレは、モノやサービスの価格が下がっても誰も買わないという特殊な経済状況です。通常、価格が下がれば消費したいという気になるものですが、デフレは価格が下がっても(安くなっても)誰も買わないのです。
では、なぜ消費者は価格が下がってもモノを買わないのでしょうか?
これは、消費者が先行きに不安を持っている、明るい展望が描けないためとする見解が一般的です。そのような状態の時に財布の紐を緩めることはなく、消費しない状況が一方的になります。
モノが売れないので、デフレ時は不景気、企業の収益は悪化して、手当などが減らされて給料も下がってしまいます。給料は物価の下がり方より速い傾向がありますし、給料が下がるだけでなく、雇用の心配も出てきて、いつ仕事がなくなってしまうのか不安に襲われて消費行動はさらに抑えられます。モノが売れないので、企業はさらに値下げする・・・
このように、デフレは皆が損をしてしまう経済状況です。デフレを改善するには、先行きの景況感(センチメント)を改善する、つまり、これから景気がよくなるという気分を改善しなければ手の打ちようがないとされており、消費者の不安払拭がカギとされています。
日本が初めて「デフレ」と宣言したのは、月例経済報告で「日本経済は緩やかなデフレにある」と示された2001年3月です。ただ、日本がデフレでも、世界の経済は成長していたので、輸出大国である日本は国内需要が落ち込んでも海外需要で持ちこたえていました。「デフレ」という文言が消えたのは2006年6月です。ただ、この後にリーマンショックが起こり、2009年11月に日本は再度デフレ宣言を行いました。
デフレになると物価が下落します。物価が下落すると企業の収益が下がりますので、従業員の給料が下がってしまいます。下請け業者なども収益が下がり、下請け業者の従業員の給料も下がってしまいます。給料が下がってしまうと人々はモノを買わなくなてしまいますので、物価はさらに下がってしまいます。そうなると、さらに企業の収益は下がり・・・
こういった悪循環のことを”デフレスパイラル”と言います。
デフレになると、その国の通貨価値にも影響が出てきます。デフレとは物価の下落のことですので、インフレ時より少ないお金でモノが買えます。そして、その国の通貨の価値は上がっていきます(円高)。ただし、デフレが加速して経済が低迷し、国としての信用がなくなってくると、その国の通貨の信用もなくなってきますので、通貨の価値が下がっていくこともあります。
デフレが進行している時というのは、物価が下がって通貨の価値が上がるので、ジッとお金を持っていればお金の価値が上がっていきます。何もしないで現金を持っているのが良いということになります。ですので、消費が減って、タンス預金をする人が増えて、さらにデフレが進みやすくなるのです。
デフレを判断する経済指標は、消費者物価指数(CPI)です。消費者物価指数(CPI)は、商品価格の平均的な指数です。よって、CPIが下がり続けていたらデフレと判断できます。
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