クラウディングアウト(英語:crowding out)とは、政府が公共部門の資金需要をまかなうために国債を大量発行したり、減税など財政政策を行った場合、それが市中金利(市場金利)の上昇を招き、民間の資金需要の充足が困難になることです。 |
用語の解説国債は、国が発行する債券のです。 債券は、投資家から資金を調達するために発行する借用証書です。債券は発行される時点で、利率や満期日が決められています。 |
国債の大量発行は、公的資金需要と民間資金需要に競合を生じさせ、民間への資金供給が押し出されることになります。民間の投資が抑制されるため、供給不足となり、インフレが起こりやすくなります。
一般には「クラウディングアウト効果」と言われます。「クラウディングアウト」とは、「押し出す」という意味です。
インフレの簡単な解説インフレは、持続的な物価上昇を意味します。供給より需要の方が多い状態のことを指します。インフレになると物価が上昇するので、その前に買っておこうとする人が増えて供給が間に合わなくなり、欲しい商品がない状況になります。そのため少々高くても買いたい人が増えてさらに物価は上がりやすくなります。物価が上昇し始めると、”合成の誤謬”という現象が働きますので、物価の上昇はなかなか止まりにくくなります。合成の誤謬とは、みんなが同じことをすることです。 |
国債の大量発行など財政政策によって市中金利が上昇すれば、民間の企業は金融機関から借入しにくくなって設備投資に慎重になり、また金融機関にとっても資金を企業へ貸し出すより国債購入にシフトした方が利益を得やすくなりますので、民間の企業の設備投資は、より抑制されることになります。金利上昇が上昇すれば住宅ローンや自動車ローンの金利も上昇してしまうため、消費者の消費行動も抑制されることになります。
経済への対策として行った国債の発行が、逆に民間の経済活動を抑制することになることもあるのです。こういった現象のことを「クラウディングアウト」といいます。
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