社債の金利の決め方社債の金利は通常、国債の利回りをベースとして企業が個々にを決めます。どれだけ金利を上乗せするかは企業が判断して決めます。上乗せする金利は、社債のデフォルト(債務不履行)への対価ですので、財務内容がよくて信用力のある企業は上乗せする金利は少なくても買い手の需要があります。一方、信用力のない企業は、上乗せ金利が多くなければ買い手の需要がありませんので、その分上乗せ金利は多くなるのが一般的です。 |
企業が発行する社債。その社債の金利がマイナス金利政策の影響によって、買い手確保のために発行企業の信用力に関わらず「上乗せ」するケースが多くなっています。これはどういったことなのでしょうか?
通常、国債の利回りを指標とする社債は、マイナス金利の影響によって企業が金利を上乗せしてもマイナスとなってしまう場合があります。金利がマイナスとなれば、買い手がその分を負担することとになりますので、買い手需要が減り、買い手確保が難しくなります。そうなれば、社債を発行する企業が減って社債市場が縮小してしまいますし、社債は金利がその企業の信用力を計るモノサシなのですが、企業の信用力に関わらず、買い手確保のために企業が金利をプラスになるまで上乗せすれば、金利で企業の信用力を計る機能が麻痺してしまい、むしろ金利が高いために、その企業の信用力が悪化したようにも見えてしまう事態となり、
信用秩序が保たれない状態となります。また、それらの影響によって社債の発行をためらう企業が増えれば、設備投資縮小にもつながり、景気悪化要因ともなります。また「金利上乗せ」が記録として残ると、銀行からの融資の条件悪化にも繋がり、企業は資金調達がしにくくなる要因ともなります。
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