ジャンク債(ハイイールド債)とはジャンク債(読み方:じゃんくさい|英語:Junk bond)とは、企業や団体が発行する債券のうち、信用格付機関の格付けがBB以下の投資不適格債のことをいいます。つまり、発行体の信用度が低いことから償還や利払いが滞るリスクが高いと認識されている債券です。「ジャンク」とは「ガラクタ」や「紙くず」という意味です。 |
ジャンク債(ハイイールド債)は、デフォルトリスクの高い債券ではあるものの高い利回りが期待できることから、ハイリスク・ハイリターンの金融商品として投機目的で売買されることが多いです。もともと機関投資家向けの商品でしたが、近年は投資信託経由で個人も購入しており、市場規模は拡大しています。日本では、1996年に適債基準が撤廃されたことでジャンク債の発行が可能になりました。
米国でジャンク債(ハイイールド債)の相場が低迷して投資家の運用収益がマイナスとなると、米国経済の先行きが懸念されます。というのも、過去、金融危機が起こった局面ではジャンク債(ハイイールド債)の運用収益がマイナスとなっていたからです。
また、ジャンク債(ハイイールド債)の債務不履行率が上昇している時は警戒が必要です。ジャンク債(ハイイールド債)の債務不履行率の30年平均は3.8%ですので、それを上回る水準まで上昇していたら、米国経済の情勢に警戒が必要となります。
さらに、米国の金利とジャンク債(ハイイールド債)の金利差が5%以上になると経済危機を示すことが多いので、米国の金利差も注視しておく必要があります。
ジャンク債(ハイイールド債)は、上記のようにハイリスク・ハイリターンの金融商品で流動性が低いため、市況悪化時には株より先に売られる傾向があります。リスクに敏感であるため、金融市場の危機をいち早く察知し、世界景気を早く織り込む動きをしやすいことから「炭鉱のカナリア」という異名を持っています。
「炭鉱のカナリア」とは、危機が迫っていることを知らせてくれる前兆を意味します。その昔、炭鉱労働者は、有毒ガスが発生した場合に人間より先に察知するカナリアを籠にいれて坑道に入っていたことから、金融市場では危険の前兆を示すものを「炭鉱のカナリア」と呼んでいます。
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ジャンク債(ハイイールド債)の推移は、HYG(iシェア―ズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF)で確認するのが一般的です。HYG(iシェア―ズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF)の推移は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。
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