偶発転換社債(CoCo債)とは偶発転換社債(読み方:ぐうはつてんかんしゃさい|英語:Contingent convertible bonds)とは、主に銀行など金融機関が発行する転換社債で、偶発的なことが起こって、それが予め定められた条件に抵触した場合に株式に転換される社債のことです。偶発転換社債は「CoCo債(ココ債)」や「CoCos」などとも呼ばれます。 |
偶発転換社債は、銀行など金融機関が自己資本を増強するために発行する社債で、発行体である金融機関の財務が悪化して自己資本比率が基準値以下に低下した場合、元本(がんぽん)が毀損したり強制的に株式に転換される条件が付いています。そのためリスクが高く、高利回りであるのが特徴です。
偶発転換社債は、2008年のリーマンショック以降、銀行など金融機関の自己資本比率への規制が強化されたために、欧州の金融機関を中心に発行が増えた転換社債です。
偶発転換社債は、発行体である金融機関の自己資本比率が基準値以下に低下した場合、強制的に株式に転換できる社債ですので、例えば、銀行が大きな不良債権を抱えてしまったり、資金の運用(株式などの運用)で大きな損失が出てしまって自己資本比率が大きく低下した場合に、偶発転換社債の権利を行使して強制的に時価の株式に転換すれば、自己資本を上げることができます。銀行など金融機関は自己資本比率に規制があり、8%を割り込むと国際取引ができなくなりますし、
4.5%を割り込んでしまえば営業停止となってしまいますので、自己資本比率が低下した場合、すぐ自己資本を上げれる偶発転換社債は、発行体のほとんどが自己資本比率に規制のある銀行となっているのです。
偶発転換社債は、利回りが高い反面、銀行の収益が悪化すれば債務不履行(デフォルト)のリスクが高い転換社債です。また、強制的に株式に転換された後、株価が上昇しなければ投資家の損失は膨らむので注意が必要です。
偶発転換社債は、市場に10兆円程度あるとされています。偶発転換社債の元本の毀損は、銀行の財務の悪化して公的資金が注入されても毀損する可能性があります。
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