自己資本（純資産）とは｜株初心者のための株式投資と相場分析方法

自己資本（純資産）とは

資産 Assets	負債 Liabilities
	自己資本（純資産） Equity

[貸借対照表の構成]

自己資本とは

自己資本（読み方：じこしほん｜英語：shareholders' equity）とは、株主から資本金として調達したお金と、事業活動によって稼ぎ出した利益のことです（株主から調達したお金は、事業活動で利益が出ると増え、赤字が出ると減る性質があります）。自己資本は「株主資本（読み方：かぶぬししほん）」といわれることも多いです。

自己資本を簡単にわかりやすく解説

[資本金]
資本金（読み方：しほんきん）とは、株主が出したお金です。株主はその企業の株式を買ってその企業にお金を出していますが、企業側はそのお金を返さなくてもいいことになっています。一方、株主はその株式を株式市場で売買できる仕組みになっています。また、毎年企業が得た利益の中から配当をもらえる権利を持っています。

[剰余金]
剰余金（読み方：じょうよきん）とは、企業が過去に得た利益の蓄積です。誰にも返す必要のないお金です。

つまり、自己資本とは、期限もなくて返さなくていいお金です。貸借対照表の右側は「負債」と「自己資本」に分けられていますが、負債は借金であり、期限が来たら返さなければいけないお金ですので、負債が少なくて自己資本が多い企業が安定した企業と言えます。

自己資本がマイナス

中小企業では、自己資本（純資産）がマイナスになっていることも少なくないです。マイナスということは、資産より負債が多いことを示しており、債務超過の状態です。つまり、資産を売っても負債が全部返せない状態です。困った状態なのですが、こういった企業は意外と多くあります。当然、負債より資産が多い「資産超過」の企業の方が安全と言えますし、資産のある企業と取引した方がいいですし、投資対象としてもいいと言えます。

貸借対照表を分析する際は「自己資本比率」が重要視されます。自己資本比率は非常に重要ですので、次ページ「自己資本比率」で解説します。

自己資本回転率とは

自己資本回転率（読み方：じこしほんかいてんりつ）とは、売上高を、株主から調達したお金である自己資本（純資産）で割って算出される、企業の効率性をはかる指標です。

自己資本回転率の計算式

自己資本回転率（回）＝売上高／自己資本（純資産）

自己資本回転率の見方

自己資本回転率は、その企業の効率性をはかる指標です。自己資本が売上高にどの程度貢献しているかを示します。

回転率とは、つぎ込んだお金が売上高として何回企業に戻ってきたかを示したものです。回転率の数値が大きければ大きいほど、売上高として何回も戻ってきたということですので、それだけ効率的に資金運用できていることになります。ゆえに、自己資本回転率もその数値が大きければ大きいほど効率がいいことを示します。つまり、自己資本回転率の数値が大きいほど、その企業は無駄なく効率的に経営できていて、利益を生み出しやすい体質であることを示します。

自己資本回転率は、業種によって標準的な水準が異なりますので、同業他社と比較したり、過去の推移をみて企業の実力を判断しましょう。

回転率は、「率」と言っても単位は「％」ではなく「回」になります。つまり回数です。つぎ込んだお金が売上高として何回戻ってきたかを表します。

自己資本回転率が異常に大きい（高い）場合は要注意！

自己資本回転率は、上記のようにその数値が大きい（高い）方が優れているのですが、急成長企業などは、売上高の急激な伸びに自己資本の伸びがついていけないケースがあります。そういったケースでは、自己資本回転率が異常に大きな（高い）数値が出てくることがあります。自己資本の増強が遅れてしまって経営的な破綻になる可能性があるので注意が必要です。

自己資本回転率の目安（標準的な水準）

自己資本回転率は、上記の「自己資本回転率の見方」の欄のように、同業他社や過去の推移で判断する必要がありますが、参考に一般的な目安（標準的な水準）を記載します。

5回転以上であれば適正水準
2回転以下であれば危険水準

貸借対照表

流動資産　　　現金・預金　　　受取手形・売掛金　　　棚卸資産　　　その他　　　貸倒引当金	流動負債　　　支払手形・買掛金　　　その他
固定資産　　（有形固定資産）　　　　建物　　　　機械　　　　土地　　　　その他　　（無形固定資産）　　（投資その他の資産）　　　関係会社の株式　　　その他繰延資産	固定負債　　　社債　　　長期借入金　　　退職給与引当金　　　その他
	自己資本（純資産）　　　資本金　　　資本剰余金　　　利益剰余金
資産合計	負債・自己資本合計

：姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ

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