追証とは追証(読み方:おいしょう|英語:margin call)とは、信用取引において、計算上、損失が出た場合に追加の担保が請求されることです。 |
追証の額=最低保証金維持率の額ー損失額 ※最低保証金維持率は以下で解説します。 |
信用取引で最も注意しておくことの一つは、投資した銘柄に評価損(計算上の損失)が出た場合です。 信用取引の場合、投資した銘柄の株価が予想に反した動きをして評価損が発生すると、その評価損分は保証金(委託保証金)から差し引かれることになります。信用取引では、評価損が一定以上になった場合(最低保証金維持率を下回った場合)、さらに取引を継続するためには、新たに保証金を追加で預ける義務があります。それが「追証」です。
信用取引では、保証金の最低維持率というものが決まっています。信用取引は、お金や株式を借りて行う取引ですので、貸した側からすれば、確実に返してもらう必要があります。ゆえに、証券会社は保証金を常に維持するように求めてきます。その維持率は証券会社が決めており、これを「最低保証金維持率(さいていほしょうきんいじりつ)」または「委託保証金維持率(いたくほしょうきんいじりつ)」と言います。
簡単に言うと、最低保証金維持率(委託保証金維持率)とは、信用取引を継続するには、最低この率の保証金を預けておく必要がある、というものです。
もし、信用取引で投資した銘柄の株価の評価損が終値で最低保証金維持率を下回った場合は、追証として定められた期日までに追加で保証金を入れなければならないのです。よって、信用取引で新規の建玉をした場合は、必ず保証金維持率を見ておきましょう。所定の維持率を下回った場合、メールなどで証券会社から通知がきます。追証が解消されないと、信用取引口座が使えなくなり、建玉が強制返済になる場合がありますので注意しましょう。
最低保証金維持率(委託保証金維持率)の計算方法は以下の通りです。
最低保証金維持率=(委託保証金ー評価損)÷建玉合計 |
例えば、最低保証金維持率(委託保証金維持率)が30%だったとします。保証金(委託保証金)が30万円で建玉合計が100万円であった場合、保証金の維持率は33%ですので、最低保証金維持率の30%には達していませんが、株価が下落して評価損が増え、最低保証金維持率の30%を下回った場合、不足した保証金が追加で必要となります。この追加の保証金が「追証」です。
最低保証金維持率の30%を下回った場合、この例では信用買いをして評価損が出ましたので、このまま信用買いのポジションを継続したいのであれば、最低保証金維持率30%を超えるだけの保証金を預け入れる必要があります。ただし、そこからさらに株価が下落して評価損が増え、また最低保証金維持率の30%を下回れば、また追証が発生します。
これが信用取引で最も注意すべきことの一つです。相場によって連続して追証が発生してどんどん損失が膨らんでいくケースです。基本的に追証が発生する取引は「負け」ですので、早めの損切りをした方がいいでしょう。
追証が発生すると、翌々営業日の15:30までに追証を解消するだけのお金を入金をするか、信用取引の建玉の決済によって追証を解消する必要があります(建玉の決済での追証は、建玉の20%を追証の返済として利用することが出来ることが多いです)。
追証が発生した時は、冷静な判断ができなくなり、取引の判断が非常に難しくなります。新たにお金を入金してその取引を続けていくか、建玉を決済してしまうか・・・。追証が発生してしまう場面というのは、冷静な判断ができない場合がありますので、信用取引をする際には、事前に追証が発生した場合の対応策を考えておく必要があります。
信用取引の保証金(委託保証金)は、現金でもいいですし、すでに保有している株式や投資信託など有価証券を現金の代用とすることもできます。これを代用有価証券といいます。
例えば、信用買いを行っているものの、その一部を株式で委託していた場合、信用買いをした銘柄の株価が下落し、代用有価証券の株式の株価も下落すれば、それぞれの評価損が保証金(委託保証金)に反映されます。その評価損が最低保証金維持率を下回った場合、追証が発生しますので、今後もその信用買いを維持しようとするなら不足分を追証として預け入れる必要があります。
このように、信用取引の保証金(委託保証金)を株式や投資信託などの代用有価証券にしている場合、代用有価証券そのものの評価損も気にしておく必要があります。
代用有価証券の評価額が下がった場合、信用取引の担保としての信用余力が落ちますので、新たに委託保証金として現金を預け入れるか、他の有価証券を預け入れて信用余力を回復する必要があります。
代用有価証券は、信用取引で売買する銘柄と同じ業種にしないのが基本です。というのも、信用取引で売買する銘柄と同じような株価の動きをする銘柄を代用有価証券にしてしまうと、信用取引の建玉と代用有価証券がダブルで値下がりしやすいからです。また、代用有価証券は基本的にはリスクコントロールの観点から、ディフェンシブ株にすることが多いです。
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