トレンドライン(レジスタンスラインとサポートライン )を引いて相場の方向性を分析する場合、レジスタンスラインとサポートラインで種々のパターンが形成されることがあります。
パターンとしては三角形か平行四辺形、または、その変形となりますが、多くの場合は大きなトレンドの中の中段で形成されるものが多いです。これを「中段保ち合い(ちゅうだんもちあい)」といいます(底値圏や天井圏で形成されることも多くあります)。
その中で、最も代表的なものとして「三角持ち合い(さんかくもちあい:三角保ち合い)」があります。
三角持ち合いは、上図のような形状のもので、
を示していますが、レジスタンスラインとサポートラインが三角形になるのが特徴で、上下に大きく動いていた価格(株価)が、次第に上下に大きく動きにくくなってくるパターンです(小幅な上下の動きになってくる)。レジスタンスラインとサポートラインが収束し、いずれ価格がレジスタンスライン、もしくはサポートラインを抜けて大きく動く確率が高いパターンと考えられています。三角持ち合いは、別名「コイル」とも呼ばれています。
価格がレジスタンスラインやサポートラインを抜いてくることを「ブレイクアウト」と言いますが、ブレイクアウトした際は、価格が大きく動くことが多い傾向があります。
上図では、サポートライン(黒色の下線)を価格(赤色の線)が下抜いた所が「ブレイクアウト」の地点です。
三角持ち合いのブレイクアウトは、実際にはレジスタンスラインとサポートラインの収束点まで行かずに、その前に起こることが多いです。
三角持ち合いは、最終的に価格がサポートラインを下抜けるか、レジスタンスラインを上抜けるかは事前にわからないパターンです。
ただ、基本的にはそれまでのトレンドを継続することが多く、三角持ち合いを形成する前に、価格が上から落ちてきて三角持ち合いを形成したのであれば下抜けしやすく、下から上がってきて三角持ち合いを形成したのであればは上抜けしやすい傾向があります。
もしくは、中期の移動平均線の向きの方向に抜けやすいとする見方もあります。すなわち、中期の移動平均線が下向きの場合は下抜けしやすく、中期の移動平均線が上向きの場合は上抜けしやすいという見方もあります。「中期の移動平均線」は、概ね100日移動平均線前後が使われることが多いです。
ただし、それまでのトレンドと反対方向にブレイクアウトすることも多いですが。
三角持ち合いを価格がブレイクアウトした場合、どの程度値幅が出るのかですが、
一般的なテクニカル分析では、三角形の形成開始時の値幅分とするのが一般的です。上図では、青色の矢印でそれを示していますが、上図の場合、価格は青色の矢印の下限まで到達する、すなわち、そこを一旦のメドとするのが一般的です。
三角持ち合いの基本的なトレードとしては、三角持ち合いのブレイクアウト時に仕掛けるのが一般的ですが、意に反して「いってこい」のパターンになることもあります。つまり、三角持ち合いを下抜けた後、上昇してもとの水準に戻ってくる、もしくは上抜けた後、下落してもとの水準に戻ってくるといった場合です。例えば、下抜けた後に価格が上昇してレジスタンスラインを上抜いた場合、もしくは上抜けた後に価格が下落してサポートラインを割った場合は「だまし」と判定できますので、その場合は、ブレイクアウトで仕掛けたポジションは手仕舞うのがテクニカル分析に基づいた基本的な戦略です。
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