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REITの上昇要因・下落要因をわかりやすく解説

REITを分析する

上昇要因・下落要因

REITについての基本的な概要は、「REITとは」のページをご参照ください。


REITの上昇要因

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REITとは「不動産投資信託」のことで、投資家から資金を調達し、その資金で不動産へ投資し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する仕組みの金融商品です。よって、不動産へ投資するだけの資金がなければならない、投資家からそれだけの資金を調達しなければならない、ということが必須となりますので「お金の量」がREITの相場に大きく影響してきます。すなわち、「カネ余り」の状態になるとREITへの投資が増えますので、日本銀行による金融緩和などが行われれば上昇します。

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また、同時にインフレ率が上昇する局面でもREITは上昇しますので、日本のインフレ率を見ておく必要があります。また、インフレ率、すなわち「物価」は、原油の相場に左右されやすいので、原油相場もREITの相場の上下に影響します。原油高で物価が上昇すればREITも上昇しやすくなりますし、原油安で物価が下落すればREITも下落しやすくなります。

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そして、投資家にとってREITの魅力はその配当です。通常、投資家はREITの配当は3%以上を期待しますので、REITの配当が3%以上であれば買いが入りやすくなることも覚えておきましょう。

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REITには、NAV倍率というものがあります。これは株式でいうPBRに相当するもので、考え方はPBRと同様です。
NAV倍率が1倍を割れば割安と判断され買いが入りやすくなります。逆に、1倍を超えると割高としてREITは売られやすくなります。

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また、REITの相場は債券の相場とも関係が深いです。もし、債券の金利が下落したら、債券の金利で運用益を出していた投資家は利益が出なくなってしまいますので、より金利が高いREITを買ってくるようになります。また、債券の金利は不動産の金利とも連動しますので、金利が下がると不動産が買われやすくなり、REITにとっては上昇要因となりますので、債券の相場も注意して見てお くようにしましょう。






REITの下落要因

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REITの下落要因は、上記の「REITの上昇要因」の逆になります。
日本や海外で中央銀行による金融引き締めが行われる局面では、カネ余りの状態が解消されてしまいますので、REITは売られやすくなります。

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また同時に、インフレ率が低下する局面ではREITは下落します。インフレ率、すなわち物価は、原油の相場にも左右されやすいですので、原油安で物価が下落すればREITも下落しやすくなります。

B

そして、投資家にとってREITの魅力はその配当です。REITの配当が3%を割る局面では、REITに魅力がなくなり売られやすくなります。

C

REITには、NAV倍率というものがあります。これは株式でいうPBRに相当するもので、考え方はPBRと同様です。
NAV倍率が1倍を割れば割安と判断され買いが入りやすくなります。逆に、1倍を超えると割高としてREITは売られやすくなります。

D

REITは金利の上昇に弱いです。金利が上がれば不動産を買いたい人が減りますので、必然的にREITは売られやすくなります。

E

REITの買い手は、主に銀行(地銀)です。よって、銀行の決算期には益出しのために売られやすくなりますので注意しましょう。概ね、決算の2,3週間前からは警戒しておいた方がいいでしょう。






REITが下落したら

REITが上昇している局面というのは、景気が上昇に転じ、不動産にお金が回っている状態ですので良いのですが、REITが下落している局面は警戒が必要となります。というのも、REITは為替裁定取引とは関係のない、影響を受けにくい分野です。REITが下がっている局面というのは、為替の影響で下がっているのではない、裁定取引の影響で下がっているのでもない・・・ということで、まともに大口の投資家が日本売りに走っている可能性が出てきます。

REITが下落している局面では、その原因について分析しておく必要があります。日本の景気が良くなってきて金利が上昇しているのでREITが売られているのか・・・中央銀行による金融緩和はこれ以上はないと見られているのか・・・金融引き締めの時期が近いのか・・・世界的にリスクオフの状態に傾いているのか・・・

不動産への投資は多額の資金が必要となるため、不動産自体がお金の集合体とも言えます。金融緩和などで余ったお金は、最終的には不動産へ向かいます。特に ビルへの投資が活発になります。REITが上昇している局面では、余ったお金が不動産へ流れている状態ですので、今後の景気に期待が持てますが、REITが下落する局面というのは、そのお金が逃げている状態を示しますので、今後に警戒が必要です。

ちなみに、REITを運用しているのは主に銀行(地銀)ですので、REITが下落する局面は銀行株にとってマイナス要因となることは覚えておきましょう。


:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ





東証REIT指数・J-REITの利回り・時価総額・売買代金の推移

東証REIT指数や、J-REITの利回り・月間の時価総額合計・1日平均売買代金のこれまでの推移は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。


東証REIT指数のSQ値の推移

東証REIT指数を原資産とする先物取引である「東証REIT指数先物」のリアルタイムチャートと、東証REIT指数先物のSQ値のチャートは、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。


米国REIT指数・分配金利回り・PER・PBR・PSR・PCFRの推移

米国(アメリカ)ののREIT指数とその分配金利回り・PER・PBR・PSR・PCFRの推移は姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます(それぞれの解説付き)。


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