さて、これまで3種類の決算書について解説してきました。この3種類の決算書から「企業の業績や財務状態」を把握して、これからの株価の変動を予測していくわけなのですが、決算書を読む上で最も注意しなければならないことがあります。それは「決算書を読むための基礎知識」で触れましたが、「業績の変化率」です。
株価は、 決算で「この企業は高収益が出る」と予測する投資家が多ければ、投資家はその株を買い、株価は決算発表前に既に高収益を織り込むように上昇していることが多いで す。そして、実際に決算発表で高収益が確認されれば、材料出尽くしとなり売られやすいです。ゆえに、株価は事前に市場やアナリストが予測している決算の数字と、実際に出た決算の数字に変化がなければ、株価変動(上昇)の要因にはならないのです。株価変動(上昇)の要因になるのは業績の変化です。現在の業績が悪くても「業績が回復してきているな」という変化が決算にあれば市場は評価します。むろん、業績の良い会社の業績がさらに良くなれば、それも市場は評価し株価に反映させます。よって、
「今まで悪かった企業の業績が持ち直して来ている」
「今までも業績が良かったが、前々期や前期より業績の変化率がさらに良くなっている」
という点に注目して決算を見るようにしましょう。
決算発表ではさらに、会社側が来期の業績の予想も出してきます。今期の業績と比べて来期の業績はどのように変化するのかを合わせて見るようにしましょう。
さて、決算書を見てその企業の業績や財務状態を把握できるようになると、業績の良い銘柄を選定していけると思います。ただ、業績の良い銘柄を見つけることは出来たとしても、株式投資は割安な株を買って高くなったら売る、という行為をしないと利益を得ることはできません。ゆえに、業績の良い銘柄の株価が今割安なのか割高なのかを判断しなくてはならないのです。そこで、次ページからは割安な銘柄を見つける際に投資家が判断の基準の1つとしている「株価指標」について解説していきます。
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