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ダイバージェンスをわかりやすく解説

ダイバージェンス

ダイバージェンスとは

ダイバージェンス(英語:divergence)とは、ローソク足とオシレーター系指標(オシレータ系のテクニカル指標)の逆行現象のことです。ローソク足が高値を切り上げて上昇トレンドとなっているにも関わらず、オシレータ系指標が切り下がっている状態をダイバージェンスといいます。


ローソク足が安値を切り下げて下降トレンドとなっているにも関わらず、オシレータ系指標が切り上がっている状態は「コンバージェンス」といいます。







テクニカル指標の解説

テクニカル指標とは、過去のチャートのデータからトレンドや市場心理などを、様々な視点で分析し指数化した今後の値動きを予測するために作成された指標です。多くのテクニカル指標は、価格の動きを分析して、どの地点で売買すればいいかのシグナルが出るように設計されています。テクニカル指標は大別すると「トレンド系指標」と「オシレータ系指標」があります。


オシレータ系指標の解説

オシレータ系指標は、相場の転換点を探るテクニカル指標です。相場の過熱感から、価格が現在高い位置にあるのか低い位置にあるのかを示してくれる指標です。オシレータ系指標には以下のような種類があります。

  • モメンタム
  • ROC
  • DMI(ADX・ADXR)
  • RSI
  • RCI
  • ストキャスティクス
  • %Rオシレーター(ウィリアムズ%R)
  • サイコロジカルライン
  • 標準偏差ボラティリティ
  • ヒストリカルボラティリティ
  • 移動平均乖離率
  • (ボリンジャーバンド)
  • (MACD)

各テクニカル指標の解説は、以下のページを参照してください。
テクニカル指標とは(トレンド系指標の解説もあります)



トレンドの解説

相場におけるトレンドとは、傾向変動のことを意味します。時系列データで調査・分析し、連続的で一様な傾向変動のことをいい、上昇傾向変動であれば「上昇トレンド」、下降傾向変動であれば「下降トレンド(下落トレンド)」といいます。


上昇トレンドの一般的な定義

上昇トレンドの一般的な定義としては、価格がジグザグに動きながら高値を更新していく一方で、一時的に価格が下落しても、その前に下落した時の安値を割らずに進んでいれば上昇トレンドと見るのが一般的です。

その他、上昇トレンドの見方や法則については「上昇トレンドとは(上昇トレンドの定義)」を参照してください。


トレンド分析の方法

トレンドを分析する方法は、その他にも以下のような分析方法が一般的です。

  • チャート分析(チャート上のローソク足のこれまでの足取りを分析する方法。これまでの需給を分析してこれからの値動きを予測する方法)
  • トレンド系指標である移動平均線で分析する
  • その他のトレンド系指標で分析する
  • トレンドラインで分析する
  • P&F(ポイントアンドフィギュア)による分析


ダイバージェンスの意味

チャート上でダイバージェンスが起こっている場合(ローソク足が高値を切り上げて上昇トレンドとなっているにも関わらず、オシレータ系指標が切り下がっている場合)、トレンドの勢いが弱まっていることを示しています。ダイバージェンスは、相場が反転する前に起こりやすい現象で、間もなくトレンドが終了することを示唆しています。ただし、明確なトレンド転換のシグナルとは言えるものではなく、ダイバージェンスが起こってローソク足がトレンドラインを割るなど、その他のトレンド分析と組み合わせて相場の転換を判断する必要があります。


用いられるテクニカル指標

ダイバージェンスは、オシレータ系指標によるトレンド分析ですので、オシレータ系指標であるRSIやストキャスティクスが用いられるのが一般的です(MACDも用いられることもある)。


ダイバージェンスの見方

ローソク足が上昇トレンドの場合、RSIが買われ過ぎを示す70%の位置から切り下がっている状態がダイバージェンスとなります。ストキャスティクスも同様で、買われ過ぎを示す70%の位置から切り下がっている状態がダイバージェンスとなります。

典型的なダイバージェンスは、価格の高値更新がオシレータ系指標の極大値の切り下がりとともに現れることです。これが意味する所は、価格は高値更新しているが、その上昇に裏付けはなく、モメンタム(勢い)はトレンドの弱さを示しているということです。






ダイバージェンスは保ち合いやボックス相場では通用しない

ダイバージェンスは、ローソク足が高値を切り上げている時に有効なものです。価格の値動きにトレンドがなければ有効ではありません。すなわち、高値を更新している状態の時でなければ有効とならず、価格が持ち合い(保ち合い)相場や、ボックス相場などを形成している場合は通用しませんので注意が必要です。


ダイバージェンスはだましが多い

また、上昇トレンドの場合でも、上昇トレンドの最終段階だけでダイバージェンスが出現することは稀で、上昇トレンド中に頻繁にダイバージェンスは出現して買われ過ぎのシグナルを出しやすく、トレンドが支配的であれば、短期的に機能したとしても多くのだましシグナルとなりやすいので注意が必要です。ダイバージェンスのシグナルとしての精度は比較的低いと見るのが一般的です。逆に言えば、だましになる確率が高いということです。


だましの解説

だまし(だましシグナル)とは、価格がチャートのシグナル通りに動かなかったことをいいます。つまり、テクニカル分析とは逆の方向へ価格が動くことをいいます。テクニカル分析は、過去の価格の値動きを分析してこれからの値動きを予測する方法ですので、その予測に反した動きを「だまし」といいます。

ダイバージェンスの場合であれば、ローソク足が高値を切り上げて上昇トレンドとなっているにも関わらず、オシレータ系指標が切り下がる逆行現象が発生してダイバージェンスが起こっているのにトレンドの転換が起こらないことを指します。



ダイバージェンスはだましが多いが見逃せない理由

ダイバージェンスは上記のように、価格に支配的なトレンドが発生している場合、つまり強い上昇トレンドが出ている場合は頻繁にだましシグナルになりやすいです。ダイバージェンスは上昇トレンド中に頻繁に出やすいのです。それがダイバージェンスの欠点です。ゆえに、ダイバージェンスだけでトレード判断するのは妥当ではありません。

ダイバージェンスは明確なトレンド転換のシグナルとは言えませんが、上昇トレンドの最終段階では多くの場合でダイバージェンスが発生する傾向があります。そのためテクニカル分析では見逃せないシグナルとなっています。ゆえに、上昇トレンドの最終段階を捉えようと思えば、その他のトレンド分析と組み合わせて相場の転換を判断するのが一般的です。



実際、ダイバージェンスはどのように使う?併用の方法

ダイバージェンスは精度の低いシグナルですので、その他のトレンド分析と併用する必要があります。具体的には、

  • ボリンジャーバンド
  • パラボリック
  • 移動平均線

これらのトレンド系指標と組み合わせて使う方法があります。ダイバージェンスが発生して、これらのトレンド系指標がトレンドの終了を示唆するシグナルが出た場合にトレンド転換のシグナルが出たと判断してトレードの精度を上げた方がよいでしょう。それぞれのトレンド系指標のトレンドの見方は、以下を参考にしてください。


その他にも、ダイバージェンスが発生して、これまで上昇トレンドを形成していたトレンドラインを明確に価格が割ってきた場合なども有効なトレンド転換のシグナルとなりやすいです。







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