損益計算書の「利益」にあたる「経常利益」を解説します。営業利益同様、注目度が高く、非常に重要です。日本では経営分析を行う場合、経常利益を中心に見ることが多いので、決算書を見る際は必ず見ておきましょう。
ー損益計算書の構成表ー
経常利益とは経常利益(読み方:けいじょうりえき|英語:ordinary income)とは、営業利益から営業外収益を加え、営業外費用を 差し引いたものです。本業以外の利益を含めた会社の日常的な利益を表しています。経常利益は略称で「けいつね」と呼ばれています。経常利益がマイナス(赤字)になることを「経常損失(けいじょうそんしつ)」といいます。 経常利益の計算式経常利益=営業利益+営業外収益ー営業外費用 |
会社経営では、本業以外の部分で様々な利益や損失が発生しています。経常利益は、営業利益に財務的な収益である営業外収益を加え、財務的な費用である営業外費用を差し引いていますので、その会社の財務力も考慮した利益です。本業も含めて会社全体で稼いだ利益ですので、会社の実力を表す、会社の実態を反映している数字と言えます。営業利益では会社がどのような資金で経営しているのかわかりませんので、経常利益をしっかり見ておくことが大切です。
経常利益率とは経常利益率(読み方:けいじょうりえきりつ|英語:ordinary profit margin)とは、「売上高経常利益率(うりあげだかけいじょうりえきりつ」とも呼ばれる、本業以外の利益を含めた会社の日常的な利益である経常利益を売上高で割った指標で、その会社の総合的な実力をはかる指標です。 経常利益率の計算式経常利益率(%)=経常利益/売上高×100 |
経常利益率は、数字が上がっていたら営業外費用が減少しているので健全な状態です。数字が下がっていたら営業外費用が増加しているので△。支払利息が増えた可能性があり、無理な規模拡大や営業外支出がかさんでいるのかもしれません。
経常利益率は1%以下の銘柄は注意する必要があります。1%以下の銘柄は、景気が悪くなればすぐ赤字に転落する可能性が高いです。
営業利益率が低いのに経常利益率が高ければ、本業が順調でないことを示します。逆に、営業利益率が高いのに経常利益率が低ければ、本業以外の分野で負債を抱え込んでいる可能性が高いです。副業の失敗で本業の利益を圧迫しているのかもしれません。
総資産経常利益率とは総資産経常利益率(そうしさんけいじょうりえきりつ)とは、経常利益を総資産(自己資本+負債)で割って計算される、会社の収益性をはかる指標です。 総資産経常利益率の計算式総資産経常利益率(%)=経常利益/総資産×100
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総資産経常利益率は、ROA(総資産利益率)とよく似ていますが、ROAは経常利益ではなく、当期純利益で計算している点に違いがあります。
総資産経常利益率は、会社が総資産でどれだけ利益を上げているかを示す指標です。その会社が営業活動で生み出した利回り率を表しています。総資産の投下で得た利益をチェックするのは収益性を判断するのに有効です。
総資産経常利益率は、経常利益で計算しますので、本業が好調でも営業外の評価損が発生すれば悪化しますし、逆に本業が順調でなくても、営業外の副業でカバーできれば経常利益の悪化が防げるので、その会社の総合力を判断することができます。
総資産経常利益率は、その数値が高ければ高いほど利益を生み出していることを示しますので、高い方がいいです。
一方、総資産経常利益率が低い場合、経営のために使っているお金と比較して利益が上がっていないことを示すため、場合によっては事業をやめてしまった方がいい場合があります。
総資産経常利益率は、4%程度が合格ラインとされています。4%以上であれば収益性がいい企業と判断できます。
一方、総資産経常利益率が低い会社で極端に総資産経常利益率が低い場合があります。例えば0.01%などの会社もあります。そういった会社は全く収益性がなく利益を生み出す体質にありませんので、極端に言ってしまえば、もうやめてしまって、全額預金した方が高い利益が上げられるということになります。
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