「損益計算書」の「収益」にあたる「売上高」を解説します。
ー損益計算書の構成表ー
売上高とは売上高(読み方:うりあげだか|英語:revenue、sales、turnover)とは、その企業の目的や業務内容をめとめた定款(ていかん)に記載された事業目的から得られた収益のことです。本業以外の活動から得られた収益は売上高には含まれません。本業以外の活動から得られた収益は、営業外収益や特別利益となります。 売上高の計算式売上高=価格×数量 |
売上高は、つまり企業が顧客にモノやサービスを提供した総額で、企業収益のトップラインです。まずは毎期伸びているかを確認しましょう。ここが伸びていないと株価への反映は薄いです。例えば「減収増益」と言って(以下で解説します)、収益は減っているけど利益は上がっているような企業は、売上が伸びていないので、リストラや資産売却で利益をあげている可能性が高いです。よって、増益と言っても評価できないのです。株価は、本業での利益が増えて利益も増えていないと反映されにくいのです。
株価に影響があるのは、来期の売上高予想です。来期の売上高予想は、その企業のIR情報や会社四季報で確認できます。来期の売上高予想が伸びていることを確認して投資判断をすることが大切です。
決算の表現として、売上高と利益の増減のパターンがあります。よく使われる表現なので覚えておきましょう。
売上高伸び率とは売上高伸び率(読み方:うりあげだかのびりつ)とは、売上高がどのくらい伸びているかを示した指標です。前期の売上高に対する当期の売上高の伸び率で、その企業の成長性を示す指標としては最もポピュラーな指標の一つです。 |
売上高伸び率の計算式は以下の通りです。
売上高伸び率(%)=(当期の売上高÷前期の売上高ー1)×100 |
企業の成長性を見る場合、まず売上高と利益を見ていくのが基本ですが、一番最初に売上高伸び率を見るのが最も一般的で重要です。
売上高伸び率は、その数値が高ければそれだけ売上が伸びていて、その企業の規模が拡大していることを示します。一方、売上高伸び率が低いと、規模が伸び悩んでいることを示します。まずは、その企業の過去の数値と比較することが大切です。
水準は同業他社と比較、そして、業界全体と比較して判断します。その企業だけの売上高伸び率だけ見るのではなく、同業他社より高いが低いか、また、その企業が属している業界全体はどうなのか、これからもよくなりそうか、衰退傾向にあるのかで投資判断につなげるのが一般的です。
つまり、業界全体や同業他社と比較しなければ、その企業の数値が良いのか悪いのかがわからないので、例えば、業界全体の売上高伸び率が伸び悩んでいれば、その企業の売上高伸び率が低くてもその企業自体に問題があるというわけではありませんし、業界全体が伸びているのに、その企業だけ伸び悩んでいるのなら、その企業に何か問題があると見れます。一方、成長力の高い企業の売上高伸び率は、業界全体の売上高伸び率よりずば抜けて大きくなります。
そして、売上高伸び率が高いからといって、利益がついてきているかもチェックする必要がありますので、企業の成長性を見る場合は、売上高伸び率とともに、営業利益の伸び率を見るようにしましょう。
さて、売上高に話を戻しますが、売上高は業種によってそれぞれ特徴が異なります。例えば、材料を仕入れて加工し、製品として売ったのか、仕入れしたものをそのまま売ったのかでは、意味が全く異なります。業種によって売上高の持つ意味は異なりますので、売上高は同業種と比べてどうかを見なければなりません。売上高が伸びていないけど、同業他社はどうか。売上高に対する売上原価の比率はどうか。材料が高いのか安いのか、仕入れ価格が高いのか安いのか、利益が出ていない場合はそのように見ていくと原因がわかってきます。
上場企業の場合、子会社を持っていて、グループで企業活動を行っていることが多いです。親会社だけの決算を「単独」、子会社を合わせたグループ全体の決算を「連結」と言います。株で重要になるのは、連結決算の方なので、決算では連結を重視してみて下さい。
通常、連結の売上高は単独より大きくなることが普通ですが、逆転することもあります。それは商社などで多く見られることです。商社は売上高の計上を、連結では米国基準、単独では日本基準を採用していることがあるので、売上高が逆転することがあります。
S&P500の売上高と売上高伸び率の推移(チャートと時系列)は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。
:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ |
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