IMM投機筋ポジション(シカゴIMM投機筋ポジション)とは、CFTC(Commodity Futures Trading Commission:全米先物取引委員会)が、データの公表を義務付けているCME(シカゴマーカンタイル取引所)の国際通貨市場「IMM(International Monetary Market)」で取引されている通貨先物の投機筋のポジション(買建玉・売建玉の枚数)のことです。IMM投機筋ポジションは、ヘッジファンドや金融機関などの投機的なポジションを把握することができるため、市場での注目度が高いデータです。 |
IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物は、米ドルに対する各通貨の売買を示しています。IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物の「円」の場合であれば、米ドルに対して円がどれぐらい売買されているかを示しています。すなわち、米ドルに対する円のポジション(買建玉・売建玉の枚数)が示されています。
例えば、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(円)を見たら、「ロング(long):100,000」「ショート(short):30,000」と書かれていたとします。
この場合、「ロング」とは買いのポジションのことですので、買いのポジションが10万枚積まれていることを示しており、「ショート」とは売りのポジションのことですので、売りのポジションが3万枚積まれていることを示しています。
そして、この「ロング」から「ショート」を差し引いたものを「ネットポジション(差引)」と言うのですが、上記の例の場合、「ロングの10万枚ーショート3万枚」で、ネットポジションは「7万枚」ということになります。ゆえに、この場合は、円の買いのポジションの方が売りのポジションより7万枚多いということになります。
一方、ネットポジションがマイナスで出ることもあります。ネットポジションがマイナスとなっていれば、円の売りのポジションの方が買いのポジションより多いことを示しています。
つまり、ネットポジションがプラスであれば円買いの方が強いということですので、ドル/円にとっては円高要因、ネットポジションがマイナスであれば円売りの方が強いということですので、ドル/円にとっては円安要因となります。
当ページでは、「IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(円)」について解説しましたが、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物は米ドルに対する他の通貨の売買も公表されています(ユーロやポンドなどさまざまな通貨)。見方は(円)の場合と同様です。
ヘッジファンドは、通貨の円と日本株をペアで取引することが多いため、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(円)のショート(売りのポジション)が積まれている局面では、日本株(日経平均株価)も上昇しやすい傾向があり(円安株高)、ショートがピークアウトする局面では、日本株(日経平均株価)もピークアウトして下落しやすい傾向があります(円高株安)。
要するに、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(円)のショートが多くなれば日本株の上昇要因、ロングが多くなれば日本株の下落要因となります。
CFTCが公表している、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(円)の推移は、当サイトの姉妹サイトである「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。「株式マーケットデータ」では、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(ユーロ)、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(ポンド)の推移も掲載しています。
IMM投機筋ポジションは、「投機筋」のポジションである点は注意が必要です。見る方によっては、「実需筋」のポジションでなければアテにはならないと言う方もいます。ただ、一概には言えませんが、IMM投機筋ポジション/シカゴ通貨先物(円)の「ネットポジション」のマイナスのピークがドル/円の円安のピークとなりやすい、プラスのピークが円高のピークとなりやすい、という傾向があり、また、市場参加者の多くが注目している指標であるため、重視して見ておく必要があります。
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