投資部門別売買状況(読み方:とうしぶもんべつばいばいじょうきょう|英語:Trading by Type of Investors)とは、東京証券取引所(東証)が毎週第4営業日に公表する、投資家別の売買状況です。投資部門別売買状況は、「投資主体別売買動向」と呼ばれることもあります。原則、前週分の売買状況が公表され、 海外投資家(外国人投資家)、金融機関、事業法人、個人投資家などの投資家別の売買状況が記されています。 |
投資部門別売買状況は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで、これまでの推移が確認できます。
(姉妹サイト「株式マーケットデータ」の投資部門別売買状況の票)
投資部門別売買状況を見れば、現在どういった投資家が買い向かっているのか、売り向かっているのかを掴むことができます。もし、海外投資家が大きく買い越している状況であれば、海外投資家比率の高い銘柄が強いのではないか?と予測することができます。市場のメインプレーヤー(リード役)を把握する際にも有効となるため、投資部門別売買状況はチェックしておきましょう。
項目 |
見方 |
海外投資家 |
基本的に上昇相場の時は、海外投資家は順張りで買い上がり、信託銀行(年金資金を運用している)は利食いし、下落相場の時は、海外投資家が売り越し、信託銀行が逆張りで買いやすいです。信託銀行は基本的に上値は買ってきません。高値掴みをしてしまっては、年金資金を運用している立場として言い訳できませんので。 |
用語の解説順張りとは、相場の流れに逆らわない買い方(売り方)のことです。現在価格が上がっているから、これからも上がるだろうと思って買うこと、あるいは現在価格が下がっているから、これからも下がるだろうと思って売ることです。 |
海外投資家は、日本の経済や景気、企業業績の変化に敏感です。それらにいち早く反応して投資行動を起こす傾向があります。ただし、海外投資家は自国の経済や景気、株価が低調な時は、日本の経済や景気に関係なく日本株を売りにくる傾向もありますので注意が必要です。一方、自国の経済や景気、株価が堅調な時は日本株にも資金を振り向けやすくなります。
海外投資家が日本株に投資する際は、日本の国際優良株に投資しやすいです。そのため、海外投資家が買い向かっている際は、東証一部の外国人持ち株比率が高い銘柄が買われやすくなります。逆に、海外投資家が売り向かっている際は、外国人持ち株比率が高い銘柄が売られやすくなります。
海外投資家はドル建て日経平均株価を見ているため、為替動向も売買動向に影響します。海外投資家にとっては、円高で日本株が上昇すれば買いで儲けを増やしやすいということも考慮して見ておくとよいでしょう。
項目 |
見方 |
「現金」 |
投資部門別売買状況では、個人投資家の「現金」と「信用」もチェックしておきましょう。 |
個人投資家の解説個人投資家は、組織のためではなく自分自身のために売買する投資家を指します。 |
信用取引の解説信用取引とは、証券会社に一定の担保(保証金)を入れて、資金や株式を借りて売買する取引です。信用取引では、保証金額の3倍程度までの取引ができるため、手持ちの資金以上に運用することができますが、反面それだけリスクを伴う取引です。加えて、信用取引は取引の期限がありますので、投資部門別売買状況では短期資金の動向を見るために使われやすいです。 |
項目 |
見方 |
事業 |
事業法人の欄は、企業の自社株買いが増えれば上昇する項目です。企業から自社株買いをする発表があった時ではなく、自社株買いが実施された時に上昇します。 |
自社株買いの解説自社株買いは、企業がすでに発行している自社の株式を買うことです。自社株買いは、企業が自社株買いの発表をした後に株主総会の決議を経て実施されます。この際に発表されるのは、取得株総数の上限と取得価格の総額です。実際にいくらで買われたのかも随時発表されます。 |
投資部門別売買状況を見る場合、気をつけておかなければならないことは、投資部門別売買状況は「前週分」のデータであるということです。「前週分」ということは過去のデータですので、大きく相場が変わるような状況では、買い向かっていた投資家が今週は売りに転じていたり、売り向かっていた投資家が今週は買いに転じていたりします。あくまで前週分の過去データですので、気を付けて見るようにしましょう。
投資部門別売買状況は、SQ(スペシャルクォーテーション・特別清算指数)の時はイレギュラーな数字が出やすいので注意が必要です。SQの解説は以下を参照してください。
その他、投資部門別売買状況の各項目ごとの解説はYouTubeの動画で行っていますので、参考にしてください。
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