決算発表日、株式を保有している企業の業績(決算内容)がよかったので、翌日の株価に期待していたけど、予想に反して株価が下落した・・・
このようなことは株式市場ではよくある動きです。業績が良く、決算内容もよかったのに、なぜ株価は下落したのでしょうか?
それにはいくつか理由があります。
@市場予想 |
株価は将来の企業業績を予想して動くものです。一般的には、概ね6カ月(半年)先の業績を予想しながら株価は動きます。市場参加者は、その企業の6カ月先の業績を予想して今その株式を売買しているのです。要するに、6カ月先の業績の市場予想によって株価は動いているのです。よって、実際の決算で業績がよくなっていたとしても、業績の数値が市場予想の数値に届いていなければ、売り材料となってしまいます(市場予想の数値は、「QUICKコンセンサス(業績予想)」で見ることが多いです)。 |
A先回り買い |
業績が良くなりそうな銘柄は買いたい投資家が多いので、事前に投資家が買っている場合が多いです。それを「先回り買い(さきまわりがい)」と言うのですが、先回り買いが多い銘柄は、決算が良くても悪くても材料出尽くしとなって(利益確定のため)売られることが多いので、業績が良くても売られることがあります。先回り買いは、メジャーな銘柄であるほど入りやすいので注意が必要です。 |
B将来の業績 |
株価は将来の業績を予想して動くものだということは上記の説明の通りです。ゆえに、決算でいい数値が出ていても、これから業績が伸びる要素がなければ買いたい投資家が減りますので、その場合は売り材料となります。 |
C業績の変化率 |
決算の際、必ず見ておきたいのが「業績の変化率」 です。いくら業績の数値がよくても、その変化率が低下していれば成長の鈍化を示しますので、株式は売られやすくなります。例えば、前々期から前期まで10%業績が上がっていたのに、前期から今期で8%しか業績が上がっていなければ、まだ業績は良いと見れますが、変化率は下がっていますので、売り材料となりやすいのです。ゆえに、業績を見る際は、その変化率もしっかりチェックしておくことが大切です。 |
D経済環境 |
株価はその銘柄の決算の予想数値だけで動くものではなく、経済環境によっても変動します。国内の経済や景気、 海外の経済や景気の動向も投資家は見ていますので、経済環境が悪化していれば株式は売られやすくなります。経済環境の悪化は将来の企業業績を悪化させる要因となりますので、例え今現在の企業業績がよかったとしても、そういった状況下では将来の業績の悪化が懸念されますので、株式は売られやすくなります。 |
Eリスクオンかリスクオフか |
株式はそもそもリスク資産(危険資産)です。そして、株式を売買しているのは投資家です。投資家がリスクを取れない状況の場合は、業績がよかったとしても株式は売られやすくなります。基本的に株価は企業業績を反映する形で推移しますが、経済環境などが悪化して投資家がリスクを取れない状況になった場合は(リスクオフ)、企業業績に関わらず、リスク資産を売って換金しておきたい投資家心理が働きますので、株式は売られやすくなりますので注意が必要です。 |
F期待値が高過ぎる |
決算の内容が市場予想と比べても良い状態で、業績の上方修正もあった、しかも、決算発表前から売られていた銘柄が決算発表後さらに下がる、ということがあります。これは事前の期待値が高過ぎる銘柄に出やすい売りで、こういった銘柄は決算が良くても悪くても事前に買われ過ぎていたため、売り圧力が強まりますので注意が必要です。 |
:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ |
損益計算書
貸借対照表
キャッシュフロー計算書とは
その他
トレンド分析
チャートのパターン
テクニカル指標
トレンド系
オシレータ系
トレンド系+オシレータ系
もっと詳しく
決算
→信用期日に株価は上がる?下がる?へ進む
←クレジット・サイクルとはへ戻る