日本の不動産向け(アパート)融資は、2010年頃から増え始め、2016年には12兆円超と過去最高の水準となっています。人口が減少している日本にとっては反比例する形となっており、また、その融資を行っているのが地域の金融機関とあって、米国のサブプライムローン問題に似た問題が日本でも起こるのではないかと懸念されています。
日本の不動産向け(アパート)融資が増え始めた背景の一つとなっているのが、2015年の税制改正で相続税の課税対象が拡がったことと指摘されています。相続税対策としてアパートを建てると更地にしておくより課税評価額が下がるためアパートの建設が増加しました。さらに日本銀行の金融政策でマイナス金利が導入されたことによって、金利での利ざやが取れなくなった金融機関が融資に走ったことによりアパート建設が加速しました。
日本の不動産向け(アパート)融資膨張で懸念されているのが、人口が減少している日本のバブルです。融資の筆頭となっているのが地域の金融機関なので、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題と似た現象が起こるのではないかと指摘されています。
上記の背景によりアパート建設は増加していますが、それによって入居者の獲得競争が起こり、どのアパートも空室率が高まっています。そのため家賃を減額する動きも広がり、維持管理コストも膨張しており、トラブルになるケースも増えています。融資を受ける場合、毎月の家賃収入が返済額を下回ると収支が逆ざやになり、運営を続けられなくなる恐れもあります。また、融資の定義も金融機関によって定義が曖昧で、融資実態の不透明さも大きな問題を引き起こす要因になるのではないかと懸念されています。
2017年末、金融庁の監視強化の流れで膨張していたアパート融資の流れが変わりつつあり、新設着工が減少傾向にあります。
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