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決算書を読むための基礎知識

決算書を読むための基礎知識

決算書とは

企業は四半期ごとに決算書(読み方:けっさんしょ|英語:financial statement|専門的には「財務諸表(ざいむしょひょう)」といいます)を発表します。

決算書は、言わばその企業の経営の成績表です。企業がステークホルダー(利害関係者)のために経済活動を報告するもので、商法や証券取引法などによって作成と開示が義務付けられています。決算書を分析することによって、その企業の収益性や安全性、成長性をはかることができます。

収益性とは、どれだけ効率的に設けているか、安全性とは、借金を返す余力があるか、資金繰りに困ってないか、成長性とは、今後どれだけその企業が大きくなれる可能性があるか、ということです。

ただし、決算書では、企業のブランド力や技術力、マネジメント力など経済的に捉えられないものは反映されず、会計処理も企業の主観が入る余地がある点は留意しておく必要があります。

企業が決算書を作成する場合、本体および子会社・関連会社を統合した連結の決算書を作成する必要があります。これは、経営内容をグループ全体で見て実態を正しく把握するために義務付けられています。






決算書の種類

決算書は、

@損益計算書
A貸借対照表
Bキャッシュ・フロー計算書


の3種類で構成されています。決算書では企業と企業業績を評価できますので、投資する際にどの銘柄を買うか決める判断材料となります。3種類の決算書は、それぞれ独立しているわけではなく、関連性をもっていますので、1つの企業を3つの視点から見ることができます。1つの視点だけでなく、3つの視点から見ることで、より詳しく企業を分析することができます。


決算書が発表される時期(会計期間とは)

決算書でまず大切なことは、その決算書がいつからいつまでの期間の状況を示しているのかということです。この期間を「会計期間」といいます。会計期間は、原則として同じ時期になります。これは、毎年の決算書の隔年の数値の比較や分析をしやすくするためです。

会計期間は、特別ば場合を除いて1年間です。例えば会計期間を「昨年4月から今年3月まで」とする企業が多いです。その場合、「昨年4月から今年3月まで」の業績の結果が決算書で示されます。この例の企業の場合ですと、本決算が3月ということになりますので、「3月決算」あるいは決算月は「3月」というような言い方もします。

日本の上場企業の場合、3月か12月を本決算としているケースが多いです。特に多いのは3月ですので、ここでは3月決算の企業の場合を取り上げて解説します。

3月決算の場合、3月31日時点までが1つの期です。その決算発表は5月から6月の間に行われます。中間決算は9月30日までで、その決算発表は10月後半から11月前半の間に行われます。この本決算と中間決算が大きな決算ですが、上場企業の場合、四半期ごとにも決算を出しています。四半期とは3カ月に1回ということです。つまり四半期ごと(3カ月ごと)に計4回決算が出てくるのです。

ちなみに、1年が1つの期です。そして6カ月が半期、3カ月が「四半期」ということになります。

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上場企業のほとんどが自社のホームページで決算書を公開しています。投資家向けのページでPDFファイルなどで見られるようになっています。


単独決算書と連結決算書って何?どちらを見ればいい?

決算書には、単独決算書と連結決算書があります。
上場企業は、子会社を含むグループで活動を行っていることが多く、決算書も親会社だけのものと、子会社を含むグループ全体の決算書が発表されます。親会社だけのものを「単独決算書」、子会社を含むグループ全体のものを「連結決算書」といいます。

上場企業の場合、1社だけで活動を行っているということはほとんどなく、子会社や関連会社があるのが普通です。資本関係を持っていて、親会社が子会社に資本金を出して株主となっています。細かく言うと、20%以上の株式を保有する子会社を含むグループ全体の決算書を「連結決算書」といいます。

株式市場では、単独決算書と連結決算書では、連結決算書が重視されます。もし子会社が経営難に陥れば後始末が親会社がすることになりますし、子会社のこともわからなければ、親会社のこともわからないからです。連結決算書を重視するのは欧米でも同様となっています。ゆえに、「決算書」といえば「連結決算書」のことをいうのが一般的です。






決算書の見方ー業績の変化率ー

決算書で最も注意して見なければならないのは「業績の変化率」 です。なぜなら、株価は業績の変化を歓迎するからです。業績が良い方に変わる企業の変化は、株価を上昇させる要因となります。重要になるのは”将来の業績” です。これまで業績がよくなかったけど、これから業績が良くなる株が最も魅力的な投資対象になります。それは、業績の好転を株価がまだ織り込んでいないことが多いからです。

ただし、注意しなければならないのは「株価は将来の業績を先読みしてして動く」ということです。投資家は、様々な材料から業績を先読みして動きます。よって、決算と株価は連動するとは限らない、ということはおさえておかなくてはなりません。株価は決算を先読みする形で、決算が出る前にその決算を予測して動いているのです。

決算を読み解くということは、決算の内容から現在の業績を見て、経済環境や企業の事業内容を考慮し、将来の業績を予測するということです。よって、決算を読み解く力は株式投資をする上で必須となりますので、これからしっかり学んで知識の土台をかためていきましょう。

と、話の腰を折ってしまいますが、1つ補足として申し上げておきたいことがあります。それは、時に株価は決算を後追いする形を取ることもある、ということです。正当でない情報に基づいて株価が動いていたりすることもあるのです。その銘柄が注目を集めていない場合などはそうなりやすいので注意が必要です。正当でない情報でも株価が動けば歓迎される時もあるのです。

正当な情報とは、会社が出す決算書やIR情報です。もしそういった正当な情報ではなく、正当でない情報で株価が動いている時は疑ってかかるぐらいの慎重さが必要です。株価は思惑で動くものですが、市場はいつまでも惑わされたままではいません。事実と反するとわかれば、株価は妥当な価格へと訂正されていくはずです。よって、手堅い情報(会社が出す決算書やIR情報)で投資判断をすることが大事です。

それでは、決算書について次ページの「損益計算書とは」から順に解説していきます。






余談ですが、包括利益計算書についても記載します。少し難しい用語もありますし、あまり重要視されませんので、流し読み程度で把握してもらうだけで大丈夫です。

包括利益計算書とは

包括利益計算書(読み方:ほうかつりえきけいさんしょ)とは、平成23年3月期以降に連結決算で開示されることになった、当期純利益に「その他包括利益」を加えて計算する包括利益を示した書類です。


包括利益とは

包括利益とは、ある会計期間の自己資本(純資産)の変動額を表したものです(ただし、自己株取得や処分、増資配当金の支払いなど資本取引による変動額は除かれます)。


その他包括利益とは

その他包括利益とは、包括利益に含まれるものの、当期純利益の要素にはならないものです。例えば、その他有価証券評価差額金の当期増減額や、為替換算調整勘定の当期増減額などがそれにあたります。つまり、企業の資産負債の時価による変動額です。


当期純利益と包括利益の関係と見方

為替や株価変動によって時価が変動する資産や負債を多くかかえている企業は、包括利益の変動幅が大きくなり、純資産の変動額も大きくなります。こういった企業は当期純利益と包括利益の差が大きくなります。つまり、当期純利益と包括利益の差が大きい企業は、PBR自己資本比率などの指標に影響が出やすい企業と言えます。


あまり重視されない包括利益

ただし、企業業績を分析するにあたって、包括利益は注目度は低く、あまり重視されません。当サイトで以後解説していく「損益計算書」の各利益を分析するのが一般的です。


:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ

:姉妹サイト「投資戦略」の解説ページ

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