国債入札の仕組み国債入札では、条件付の国債をいくらで買うかを競います。高い金額を提示した金融機関がその国債を買うことができる仕組みになっています。国債の価格は。金融機関が市場で流通する国債の価格を参考に入札価格を決定することが多いです。 |
国債入札のマイナス利回りとは日本銀行によるマイナス金利政策の影響で、国債入札でマイナス利回りがついています。金利はお金を借りた側が貸した側に対価として払う資金の貸借料・使用料ですが、国債入札でマイナス利回りがつくということは、国債を発行して借金をした国に儲けがでることになります。国は借りた金額よりも少ない金額しか返さなくてよくなるのです。この国債入札のマイナス利回りによって、誰が得をして誰が損をする のでしょうか? |
さて、この国債入札、マイナス利回りとなれば、一見すると国債を落札する金融機関が損をすることになりそうですが、金融機関はこれを落札しています。
それはなぜか?
それは、金融機関は国から買った国債価格よりも高い価格で転売できると思っているからです。誰に転売するのかというと、中央銀行である日本銀行(日銀)です。
日銀はマイナス金利政策を導入する前から、金融政策による量的・質的金融緩和(QQE)で国債を買っています。日銀が買う国債価格は市場価格と連動しており、国債の落札価格より高くなっています。金融機関からすれば、国債を国から買って日銀に売れば儲けが出ることになります。ですので、マイナス利回りであったとしても差額で利益を得られるのです。
この場合、国は国債のマイナス利回りによって利益が出て、金融機関も国債を国から買って日銀に売れば利益が出ます。ここで損をするのは日銀となります。日銀は年間の利益の一部を国に納めているのですが、国債のマイナス利回りによってその利益分が減少し、国に納めるお金が減少してしまいますので、結局その損失は国民に回ってくることになります。こういったことが続けば、国際的に日本の財政規律が疑問視されやすくなります。
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