債務不履行(読み方:さいむふりこう|英語:default|デフォルト)とは、財政難などの理由から、債券(国債など)の償還期限を迎えても債務を履行できない(償還できない)ことをいいます。要するに、借金が返せなくなることです。 |
債務不履行(デフォルト)をわかりやすく簡単にいうと、元本や利子の支払いができなくなることです。つまり、借金が返せなくなることです。
利子とは、貸した金銭に対する報酬として貸主が借主から一定の割合で定期的に受け取る 金銭です。
債務不履行(デフォルト)は、リスクの高い国債で起こりやすいものです。リスクの高い国債ということは、そもそも債務不履行(デフォルト)を起こす可能性が高い国債ということです。よって、格付け機関の評価が低い国債には注意が必要となります。ただし、格付けが高いからと言って債務不履行(デフォルト)しないかと言えばそうではありませんが。
ある国の国債に債務不履行(デフォルト)の懸念が出てくると、その国が発行した国債の金利や元本保証がなくなるかもしれなくなるため、まずはその国の信用がなくなってしまいます。信用がなくなると、信用のない国に投資したい人や事業をしたい人がいなくなりますので、その国からどんどんお金が出ていくことになります。お金がどんどん出ていくということは、その国に投資していた人(や企業)は、その国の通貨を売る行為に出ますので、その国の通貨は安くなっていきます。また、それに加えてその国の国民も信用不安から預金を引き出しに動きますので、預金の流出も加速していきます。銀行への取り付け騒ぎに発展していき、その預金引き出しに対応できるだけの資金が銀行になければ、銀行が営業停止に追い込まれてしまいます。
さらに、ある国で債務不履行(デフォルト)が起これば、あらゆる金融商品の相場に影響が出やすくなってきます。
というのも、金融商品というものは信用の上に成り立っているからです。ある国で債務不履行(デフォルト)が起これば、そのリスクがどれだけ出てくるかわかりませんので、投資家は自分の資金を守るためにリスクを避ける動きに出ます。投資家は、まずリスクの高い金融商品から売ってくるでしょう。特に株式などリスクの高い金融商品は、リスク回避のため大きく売られやすくなります。信用のないリスクの高い金融商品からどんどん売られていくのです。
国債は、その国が一方的に条件の変更をすることもありますし、国債の購入者に債務の履行に関して強制力がないものでもありますから、完全確実という金融商品ではありません(そもそも金融商品というものに完全確実なものはありません)。
もし、経済大国である米国の世界で最大の金融商品と言われる米国債が 債務不履行(デフォルト)するようなことがあれば、金融市場や経済にとって大惨事になりかねません。そもそも国債というものは比較的信用性のある安全資産として捉えられますので、一番安全だと捉えられている米国債に債務不履行(デフォルト)が起これば、金融商品のすべてに信用不安が起こって金融市場はパ ニックになりかねません。米国債も金融商品ですから、債務不履行(デフォルト)が起こる可能性は十分あります。ですので、そういった場合の対策は常に考えておかなければなりません(ただ、米国債を買っているのは日本と中国です。日本と中国が買い続ける限り大丈夫、という見方もあります。ただ、日本と中国よ りFRBの方がもっと買っていますが)。
債務不履行(デフォルトになる危険性のことを「債務不履行リスク(デフォルトリスク)」といいますが、債務不履行リスクを示す指標としては、上記のように格付け機関の評価(格付け)を見るのが一般的ですが、債務不履行リスクが高まればクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引が活発になりますので、それも有効な指標となります。
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