テールリスクとは
テールリスク(英語:tail risk)とは、発生する確率は低いが、実際発生すると巨大な損失をもたらすリスクのことです。震災など自然災害やテロ、リーマンショックなど発生頻度が低く影響度が大きいことを対象とするのが一般的です。
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テールリスクをもっと詳しく
テールリスクは、正規分布(平均値の付近に集積するようなデータの分布を表した連続的な変数に関する確率分布)よりも極端な値を示す可能性のあるリスクのことを指します。
例えば、資産のリスクとリターンの特性を考える時、リターンの分布は正規分布に従うと仮定しますが、資産によっては必ず正規分布になるとは限りません。正規分布より偏ることがありますが、この時に平均値から極端に低かったり、高かったり、大きく乖離した値が発生する確率が、正規分布よりも高くなる可能性が出てきます。実際の分布が正規分布よりも裾野が厚くなることを統計用語で「ファットテール」といいますが、テールリスクはこの用語に由来した用語で、正規分布よりも極端な値を示す可能性のあるリスクを「テールリスク」と呼ぶようになりました。
テールリスクが高い資産
一般的に、オルタナティブ資産はテールリスクが高いとされています。
ブラックスワンとは
テールリスクと似た意味に「ブラックスワン」という言葉があります。ブラックスワン(black swan)とは、起こりえないと思われていたことが起こって、起こった時の衝撃が強い事象のことをいいます。金融市場では、これまでのデータや経験からは予測できなかったことが起こって市場が強い衝撃(被害)を受け、金融危機に発展するような事象のことを「ブラックスワンイベント」と呼んでいます。これは事前に発生時期や被害範囲の予測ができず確率論などでは予測できなかった場合に使われます。
スキュー指数
ブラックスワンやテールリスクが起こる可能性を示す指標に「スキュー指数 」があります。スキュー指数の推移は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。
動画で解説ーYouTube−
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