信用売りはリスクヘッジの手段
例えば、ある銘柄を現物で保有していて、株価が上昇して上昇トレンドに乗ったとします。しかし、その後に地合いが悪くなって株価が下落しそうになった場合、そこで売って利益確定してしまうか、そのまま持ち続けるか判断に迷う所です。
株価は上昇する時も下落する時も、波のように上下ジグザグに動きながら、トレンドのある方向へ動きますので、株価が上昇トレンドから下落局面に入った場合、一旦下落するものの再度上昇に転じる可能性があります。一方、そのまま上昇トレンドが終了して下降トレンドに転換する可能性もあります。
その際、リスクヘッジの手段として信用売りを使います。現物で保有している銘柄に信用売りを入れるのです。信用売りは、株価が下がれば利益が出るので、地合いが悪くなって株価が下がり始めた所で信用売りを入れておけば、現物株は株価下落で損失が出るものの、信用売りでは利益が出ますので、株価下落局面の損益をプラスマイナス0にすることができます。その後、株価が上昇に転じ、株価の下落が一時的なものとなれば、そこで信用売りの建玉を解消します。その時、現物株は保有したままにしておけば、現物株はその後の株価上昇で利益が出ますし、建玉を解消した信用売りも、解消した時点で株価下落分の利益が出ています。これがつなぎ売りの一般的な使い方で、リスクヘッジの手段としてよく使われます。
つなぎ売りで株主優待を取る方法とやり方・その手順
つなぎ売りは現物買いと信用売りを同時に行うため、株価が上がっても下がっても、その利益と損失は現物買い(株価が上がれば利益が出る)と信用売り(株価が下がれば利益が出る)によって相殺されます。株価変動の影響を受けない投資方法のため、株主優待を取る目的でも使われることが多い投資方法です。
※つなぎ売りは、現物買いと「信用売り(一般信用売り)」を同時に行うものですので、現物取引だけでなく、信用取引ができることが条件となります。よって、信用取引口座を開設している方しかできない取引ですのでご注意ください。
つなぎ売りは、以下の方法で株主優待を取るのが一般的ですので、その手順を紹介します。
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権利付き最終日の寄付き前に「現物買いの成行注文」と「一般信用売りの成行注文」を同時に出す。
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同じ成行注文を出すので、同じ価格で約定する。
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翌営業日まで持ち越し、現物買いした株式(現物株)を信用取引に「品渡し」して終了。
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注意!つなぎ売りのデメリット
つなぎ売りは「株価変動の影響を避けて株主優待を取りたい!」場合に使われることが多い投資方法ですが、手数料などのコストはかかりますので注意してください。
信用取引の解説
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