本文へスキップ

追証とは

追証とは



追証とは

追証(読み方:おいしょう|英語:margin call)とは、信用取引において、計算上、損失が出た場合に追加の担保が請求されることです。



追証の額の計算式

追証の額=最低保証金維持率の額ー損失額


 ※最低保証金維持率は以下で解説します。




評価損が出た場合は追証に注意!

信用取引で最も注意しておくことの一つは、投資した銘柄に評価損(計算上の損失)が出た場合です。 信用取引の場合、投資した銘柄の株価が予想に反した動きをして評価損が発生すると、その評価損分は保証金委託保証金)から差し引かれることになります。信用取引では、評価損が一定以上になった場合(最低保証金維持率を下回った場合)、さらに取引を継続するためには、新たに保証金を追加で預ける義務があります。それが「追証」です。




保証金維持率を見ておく

信用取引では、保証金の最低維持率というものが決まっています。信用取引は、お金株式を借りて行う取引ですので、貸した側からすれば、確実に返してもらう必要があります。ゆえに、証券会社は保証金を常に維持するように求めてきます。その維持率は証券会社が決めており、これを「最低保証金維持率(さいていほしょうきんいじりつ)」または「委託保証金維持率(いたくほしょうきんいじりつ)」と言います。

簡単に言うと、最低保証金維持率(委託保証金維持率)とは、信用取引を継続するには、最低この率の保証金を預けておく必要がある、というものです。

もし、信用取引で投資した銘柄の株価の評価損が終値で最低保証金維持率を下回った場合は、追証として定められた期日までに追加で保証金を入れなければならないのです。よって、信用取引で新規の建玉をした場合は、必ず保証金維持率を見ておきましょう。所定の維持率を下回った場合、メールなどで証券会社から通知がきます。追証が解消されないと、信用取引口座が使えなくなり、建玉が強制返済になる場合がありますので注意しましょう。




最低保証金維持率(委託保証金維持率)の計算式

最低保証金維持率(委託保証金維持率)の計算方法は以下の通りです。


最低保証金維持率=(委託保証金ー評価損)÷建玉合計


例えば、最低保証金維持率(委託保証金維持率)が30%だったとします。保証金(委託保証金)が30万円で建玉合計が100万円であった場合、保証金の維持率は33%ですので、最低保証金維持率の30%には達していませんが、株価が下落して評価損が増え、最低保証金維持率の30%を下回った場合、不足した保証金が追加で必要となります。この追加の保証金が「追証」です。

最低保証金維持率の30%を下回った場合、この例では信用買いをして評価損が出ましたので、このまま信用買いのポジションを継続したいのであれば、最低保証金維持率30%を超えるだけの保証金を預け入れる必要があります。ただし、そこからさらに株価が下落して評価損が増え、また最低保証金維持率の30%を下回れば、また追証が発生します。

これが信用取引で最も注意すべきことの一つです。相場によって連続して追証が発生してどんどん損失が膨らんでいくケースです。基本的に追証が発生する取引は「負け」ですので、早めの損切りをした方がいいでしょう。




追証の解消はいつまでに行う?

追証が発生すると、翌々営業日の15:30までに追証を解消するだけのお金を入金をするか、信用取引の建玉の決済によって追証を解消する必要があります(建玉の決済での追証は、建玉の20%を追証の返済として利用することが出来ることが多いです)。

追証が発生した時は、冷静な判断ができなくなり、取引の判断が非常に難しくなります。新たにお金を入金してその取引を続けていくか、建玉を決済してしまうか・・・。追証が発生してしまう場面というのは、冷静な判断ができない場合がありますので、信用取引をする際には、事前に追証が発生した場合の対応策を考えておく必要があります。




委託保証金を代用有価証券で預け入れた場合

信用取引の保証金(委託保証金)は、現金でもいいですし、すでに保有している株式投資信託など有価証券を現金の代用とすることもできます。これを代用有価証券といいます。

例えば、信用買いを行っているものの、その一部を株式で委託していた場合、信用買いをした銘柄の株価が下落し、代用有価証券の株式の株価も下落すれば、それぞれの評価損が保証金(委託保証金)に反映されます。その評価損が最低保証金維持率を下回った場合、追証が発生しますので、今後もその信用買いを維持しようとするなら不足分を追証として預け入れる必要があります。

このように、信用取引の保証金(委託保証金)を株式や投資信託などの代用有価証券にしている場合、代用有価証券そのものの評価損も気にしておく必要があります。

代用有価証券の評価額が下がった場合、信用取引の担保としての信用余力が落ちますので、新たに委託保証金として現金を預け入れるか、他の有価証券を預け入れて信用余力を回復する必要があります。




どういった銘柄を代用有価証券にすればいい?代用有価証券の選び方

代用有価証券は、信用取引で売買する銘柄と同じ業種にしないのが基本です。というのも、信用取引で売買する銘柄と同じような株価の動きをする銘柄を代用有価証券にしてしまうと、信用取引の建玉と代用有価証券がダブルで値下がりしやすいからです。また、代用有価証券は基本的にはリスクコントロールの観点から、ディフェンシブ株にすることが多いです。



:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ


信用取引の解説









姉妹サイト「株式マーケットデータ」の公式SNSです。



株式マーケットデータは、わかりやすい解説を見ながら投資のデータ分析できるサイトです。他にないデータを数多く揃えており、投資に役立つ情報をお届けしますので、よかったらフォローしてください。






公式Threads(スレッズ)はこちら
公式インスタグラムはこちら













← 信用取引にかかる費用へ戻る | トップ | 逆日歩とはへ進む →


※その他「株式」に関する記事は以下

株式


基礎知識(1)

はじめに(まずはここから)

投資とは

株式とは

株価とは

実勢株価と理論株価

株式投資の目的(キャピタルゲインとインカムゲイン)

銘柄

証券コード


株の種類

大型株・中型株・小型株

値がさ株・低位株

仕手株

ボロ株

基礎知識(2)

相場とは

市場とは

取引時間

寄付き

前引け

大引け

ザラバ


4本値

始値

安値

高値

終値

基礎知識(3)

値幅制限

出来高


買い方と売り方

注文(成行注文と指値注文)

売買手数料

約定

株式の受渡日

利益確定

損切り

順張りと逆張り


ポートフォリオとは

株の情報を収集する

NISA(ニーサ)とは

金利と利回りの違い




ファンダメンタル分析(1)

決算書を読む前に

決算書を読むための基礎知識


損益計算書

損益計算書とは

売上高

営業外収益

売上原価

販売費及び一般管理費

営業外費用

売上総利益(粗利益)と売上総利益率

営業利益と営業利益率

経常利益と経常利益率

特別利益と特別損益

税引前当期純利益

当期純利益

損益計算書から危険を察知する

ファンダメンタル分析(2)

貸借対照表

貸借対照表とは

資産とは(流動資産と固定資産)

負債とは(流動負債と固定負債)

自己資本(純資産)とは

自己資本比率


キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書とは

営業活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフロー

フリーキャッシュフロー


その他

決算書にでてくる用語

株価の変動要因「業績の変化率」

株価指標

株価指標について

EPS(1株当たり利益)

PER(株価収益率)

BPS(1株当たり純資産)

PBR(株価純資産倍率)

配当

配当利回り

配当性向

ROE(自己資本利益率)

ROA(総資産利益率)

PEGレシオ

信用残(信用買残と信用売残)の見方

日証残と信用情報の見方

回転日数とは

貸借値段

貸借比率

発行済株式数

時価総額

単位株制度と単元未満株




企業の動きを確認しよう

株式分割

増配と減配

株主優待

優待利回り

自社株買い

増資

減資

立会外分売

株式交換

減損会計(減損処理)

粉飾決算

従業員持ち株制度

ストックオプション

株式報酬制度とは

普通社債

転換社債

劣後債

TOB(公開買い付け)

M&A

テクニカル分析(チャート分析)1

ローソク足とは

ローソク足の基本

ローソク足の組合せ

日足・週足・月足の使い分け

移動平均線とは

ゴールデンクロスとデッドクロス

移動平均線をもっと活用する


トレンド分析

レジスタンスラインとサポートライン

上昇・下降ペナント型

上昇・下降三角型

上昇・下降フラッグ型

上昇・下降ウェッジ型

対称三角型

ボックス相場

テクニカル分析(チャート分析)2

チャートのパターン

ダブルトップとダブルボトム

三尊天井と逆三尊

半値戻しと半値押し

1/3戻しと1/3押し

三角持ち合い

窓と窓埋め

三段高下の法則


テクニカル指標

テクニカル指標とは


トレンド系

エンベロープ

パラボリック

一目均衡表

OBV


オシレータ系

RSI

ストキャスティクス


トレンド系+オシレータ系

ボリンジャーバンド

MACD


テクニカル分析の注意点




業界別株価動向と特徴(1)

自動車株

自動車関連株

ゴム株

電機株

家電株

半導体株

機械株

鉱山株

建設株

鉄鋼株

空運株

業界別株価動向と特徴(2)

海運株

電鉄株

電力・ガス株

化学株

製薬株

紙・パルプ株

商社株

小売株

食品株

農業株

銀行株

業界別株価動向と特徴(3)

証券株

不動産株

バイオ株

物流株

繊維株

建機株


アナリスト

アナリスト予想

レーティング




投資スタイルを決めよう

投資スタイルを決めよう

スキャルピング

デイトレード

スイングトレード

長期投資(バイアンドホールド)

マーケットを見てみよう

マーケットを見てみよう

日経平均株価とは

TOPIX(東証株価指数)とは

JPX日経インデックス400とは

東証二部とは

JASDAQとは

マザーズとは

REITとは

NYダウとは

ナスダックとは

S&P500とは(S&P500種株価指数)

ドル建て日経平均株価とは

日経平均先物とは

市場のプレイヤーを把握しよう

市場のプレイヤーを把握しよう

外国人投資家

ヘッジファンド

機関投資家

個人投資家

GPIF

日本銀行




需給をチェックして相場を見よう

需給をチェックして相場を見よう

投資部門別売買状況

信用評価損益率

裁定買残

騰落レシオ

移動平均乖離率

日経VI(ボラティリティインデックス)

VIX指数

NT倍率

ST倍率

NN倍率

季節ごとの相場

1月から4月

節分天井彼岸底

セルインメイ

七夕天井・天神底

サマーラリー

夏枯れ相場

10月から4月

餅つき相場

時期ごとに注意すべきイベント

権利確定日・権利取り日・権利落ち日

SQ

ドレッシング買い

バスケット買い

45日前ルール

レパトリエーション




ETFを活用しよう

ETFを活用しよう

IPO

IPO(新規公開株式)とは

IPOの買い方

IPOの注意点と売り時

信用取引

信用取引とは

信用取引の保証金

制度信用と一般信用

信用取引にかかる費用

追証とは

逆日歩とは




 もっと詳しく

ファンダメンタル分析をもっと(1)

決算

決算短信とは

決算説明資料とは(見方と決算短信との違い)

決算日・決算発表日とは(カレンダーによる解説)


四半期決算ごとの特徴

第1四半期決算とは(特徴と株価動向)

中間決算とは(特徴と株価動向)

第3四半期決算とは(特徴と株価動向)

本決算・期初予想とは(特徴と株価動向)

ファンダメンタル分析をもっと(2)

決算プレーについて

決算発表前の株価の動き

決算発表時の株価の動き

決算発表後の株価の動き


米国の決算

米国決算の見方と特徴(日本株への影響)

日本株と米国株の配当の違い


会計基準

ギャープ(GAAP)とは

ノン・ギャープ(Non-GAAP)とは

ファンダメンタル分析をもっと(3)

損益分岐点・損益分岐点比率とは

為替差益とは

為替差損とは

ネットキャッシュとは(解説と見方)

DEレシオ・ネットDEレシオとは

投下資本利益率とは(ROIとROICの違い)

繰延税金資産とは

のれん代・逆のれん代とは

倒産のリスクは当期利益よりキャッシュフローを見るのが基本

金庫株とは

総還元性向とは

想定為替レートとは

想定為替レートと実勢為替レートの見方

市場予想とは

QUICKコンセンサス(業績予想)とは




株価指標をもっと見る

CAPEレシオとは

スパイクスとは(VIX指数との違い)

日経平均ヒストリカル・ボラティリティー(HV)とは

空売り比率とは

信用倍率とは(貸借倍率との違いと見方)

企業の動きをもっと確認(1)

自社株買いの実際の買い付けはいつ?

株式持ち合いとは

民事再生法とは

継続企業の前提とは

ディスクロージャーとは

ドミナント戦略とは

OEMとは・ODMとは(その違い)

不祥事が起こった場合に見るべきポイント

企業の動きをもっと確認(2)

経営とは

経営計画とは・予算とは

子会社・関連会社とは

持ち分法適用会社とは(連結子会社との違い)

企業の資金調達の方法

新株式の価格の決め方

メインバンクとは

銀行取引停止処分になると?

ベンチャーキャピタルとは




テクニカル分析をもっと

陽線と陰線の色の設定について

鯨幕相場(くじらまくそうば)とは

半値戻しは全値戻し(2つの意味)

上昇トレンドとは?下落トレンドとは?ダウ理論

調整とは(調整のメド)

業界別株価動向と特徴をもっと

景気敏感株・ディフェンシブ株の分類

非鉄株

石油元売り株

マーケットをもっと見る

ラッセル3000指数・ラッセル2000指数(解説と見方)

配当貴族指数とは

MSCIとは(銘柄入れ替えによる影響)

iTraxx(アイトラックス)とは

IEXとは(ダークプール・スピードバンプについて)




需給をもっとチェックする

CFTC(米商品先物取引委員会)とは

IMM投機筋ポジション(シカゴIMM投機筋ポジション)とは

日経VIの見方

外国人の売買動向を知るには?

PKO(株価維持政策)とは

投資信託の運用手数料引下げによる株価への影響

改正確定拠出年金法とはー株価への影響

資産効果とは(ピグー効果とは)

逆資産効果とは

HFT(超高速取引・高頻度取引)とは

CTA(商品投資顧問)とは

投資家心理指数とは

相場をもっと知る

掉尾の一振(とうびのいっしん)とは

クリスマスラリー(サンタクロースラリー)とは

干支の相場格言

月と株価の関係(満月と新月のアノマリー)

ジブリの法則とは|市場のアノマリーを検証

踏み上げとは(踏み上げ相場とは)ー見分け方ー

官製相場とは

閑散に売りなしとは

相場急落時の対応

相場急落時の対応

相場急落時に見るべき指標

世界的に株安になる時の投資家の動き

株価の底打ちシグナルの見分け方

狼狽売り(ろうばいうり)とはー狼狽売りの適切な考え方




REITをもっと分析する

REITを分析する(REIT指数の上昇・下落の要因)

相場サイクル

金融相場とは(見分け方)

業績相場とは(見分け方)

逆金融相場とは(見分け方)

逆業績相場とは(見分け方)


クレジット・サイクル

クレジット・サイクルとは

株価をもっと知る

決算で業績がよかったのに株価はなぜ下がる?

信用期日に株価は上がる?下がる?

ドル/円の上昇率と日経平均株価の上昇率の関係

日経平均株価が急落しても日経VIが上がらない時の理由