SQとは・SQ値とは
SQ(読み方:えすきゅー/スペシャルクォーテーション|英語:Special Quotation)とは、「特別清算指数」や「最終清算指数」と呼ばれる、先物取引やオプション取引の最終決済を行うために算出される価格のことです。つまり、取引期間内に反対売買されず、限月終了時に残った建玉を強制的に現金決済するための清算価格がSQです。
簡単に解説すると、例えば先物取引は取引期間が決められているのですが、その取引期間内に反対売買して決済しないと、SQの値、つまり「SQ値(えすきゅーち)」で決済されることになるのです。
|
先物取引を簡単に解説
先物取引(さきものとりひき)とは、将来の一時点(決済日)に、現時点で決めた価格で現物(実際にある商品)を受渡し(売買注文の約定後に取引の決済が完了すること)することを約束する取引です。簡単に言うと、将来のモノの取引です。6カ月後のドルを現時点で取引する、といったものが先物取引です。
例えば、トウモロコシの場合、収穫されてから市場に出てきますが、トウモロコシが欲しい人は市場に出てくる前にその量を確保しておきたいですし、トウモロコシを作っている人は収穫する前に売値を決めておきたいものです。それらの需給によって先物取引の価格は決まってきます。
先物取引は、将来の決済日に、現時点で決めた価格と量で受渡しすることを約束する取引ですので、取引の対象となるもの(上記の例の場合であればトウモロコシ)は実際には手元にありません。現物がないのです。先物取引は手元にないものを取引しますので、決済日に本当に受渡しが行われるかのリスクが伴います。ただそのリスクは取引所を介することで軽減されています。
先物取引の解説は「先物取引とは」を参照してください。
|
オプション取引を簡単に解説
オプション取引の「オプション」とは、”○○を実行する権利”です。つまり権利のことですが、オプションの意味する権利には「買う権利」と「売る権利」があります。そのオプションを売ったり買ったりすることを「オプション取引」といいます。
オプション取引は、現在の市場価格に関係なく、あらかじめ定められた期日(満期日)に、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)でオプションを売買する取引です。
オプション取引は、「買う権利」あるいは「売る権利」を売買する取引だということにポイントがあります。「権利」の売買ですので「義務」が生じないのです。義務が生じないので、その権利を実行するか放棄するかは任意となります。
例えば、株価上昇が期待できる株式があった場合。株価が上昇すれば利益を得られますが、下落すれば損失を被ります。ゆえに、その株式を実際に買わずに、「買う権利」だけ持っていれば、株価が上昇した所でその「買う権利」を行使して利益を出すことができますし、株価が下落してしまったら、「買う権利」を放棄すれば損失を被らなくてすみます。オプション取引は、そういった都合のいい取引ができます。
逆に、これから株価下落すると思う株式があれば「売る権利」を買って、実際に下落すれば「売る権利」を行使して利益を得ることができますし、株価が上昇して損失を被る場合は、「売る権利」を放棄することができます。
ただし、そんな都合のいい取引はタダではできません。オプション取引は、都合のいい取引ですので、都合のいい権利を提供してくれる人が必要です。提供してくれる人は、都合のいい権利を売らなければならないですし、提供してくれる人にとって損失が出る方向に株価が動いたとしても、その権利を得た人が権利を行使できるという「義務」を負うことになります。ゆえに、権利を得る側は「オプション料」を支払うことになります。このオプション料を「プレミアム」といいます。
オプション取引の解説は「オプションとは」を参照してください。
|
限月とは
限月(げんげつ)とは、先物取引やオプション取引で、最終的に決済しなければならない期限(月)です。例えば、先物取引は将来の一時点(決済日)に、現時点で決めた価格で現物を受渡しすることを約束する取引ですが、この決済期限のことを「限月」といいます。つまり、先物取引やオプション取引が満期になる月のことで、清算や受渡しが行われる月を意味します。
日本の先物取引の限月は、通常は3月・6月・9月・12月です。オプション取引の場合は毎月が限月となっています。また、例えば、3月に満期になるものは「3月が限月」ということで「3月限(さんがつぎり)」と言います。
建玉とは
建玉(たてぎょく)とは、売買注文が成立したものの中で、反対売買で取引の清算が終了していない未決済のもののことです。
例えば、先物取引で新規に買ったもののまだ反対売買をして清算が終了していない未決済のもののことをいいます。この場合、買いの未決済のものですので「買い建玉(かいたてぎょく)」といいます(あるいは買いの未決済の残高ですので「買い残(かいざん)」ともいいます)。
一方、新規に売りつけたもののまだ反対売買をして清算が終了していない未決済のものは「売り建玉(うりたてぎょく)」あるいは「売り残(うりざん)」といいます。
|
SQ値はどのように決まる?
日経平均先物(日経225先物)など株価指数先物取引におけるSQ値は、3,6,9,12月のそれぞれの限月の最終決済日(第2金曜日)の現物の指数構成全銘柄の始値を基に算出されます。株価指数オプションの場合は、12カ月(毎月)それぞれの限月の最終決済日(第2金曜日)の始値を基に算出されます。
オプションSQとは
オプション(日経225mini、日経225オプション)の最終決済日である毎月第2金曜日を「オプションSQ」といいます。オプション(日経225mini、日経225オプション)のSQ値は、日経225構成銘柄の始値を元に算出されます。
メジャーSQとは
先物(日経平均先物(日経225先物))の最終決済日は、3,6,9,12月の第2金曜日となっています。日経平均先物(日経225先物)のSQ値は、日経225構成銘柄の始値を元に算出されます。
3,6,9,12月の第2金曜日は、先物とオプションの両方の最終決済日となっているため「メジャーSQ」と呼ばれています。
幻のSQとは
幻のSQ(まぼろしのえすきゅー)とは、SQの日に日経平均株価がSQ値にタッチしないことを言います。
- 上に幻のSQが出れば、相場は弱いとされています(つまり、SQの日に、日経平均株価より上にあるSQ値に日経平均株価がタッチしなかったら相場は弱いとされています)。
- 下に幻のSQが出れば、相場は強いとされています(つまり、SQの日に、日経平均株価より下にあるSQ値に日経平均株価がタッチしなかったら相場は強いとされています)。
|
SQの注意点
- SQ前の水曜日は「魔の水曜日」と言われ、相場が荒れやすいとされています。
- SQの次の週の水曜日近辺は注目されます。先物の新規の買いor売りの建玉(たてぎょく)は、だいたいその辺りに入ってくるので、相場が荒れやすいです。主力の225銘柄の動向には注意が必要です。
- SQで荒れやすそうな相場が見込まれていれば、SQのある週は、SQに関係のないマザーズやジャスダックの銘柄が物色されやすくなります。
|
SQで投資家のポジションが整理されるため、SQ通過後は先物主導の荒い値動き起こりにくくなります。そのため、相場の節目になることがあります。
米国(アメリカ)のSQはいつ(日程)?値動きの傾向は?
米国(アメリカ)の株価指数先物取引や株価指数オプションのSQ日は、株価指数先物は、3月・6月・9月・12月の第3金曜日、株価指数オプションは、毎月(12カ月)の第3金曜日となっています。指数構成銘柄の始値を基にSQ値が算出されることが多いです。SQの決済日は、翌営業日(各限月の第3金曜日の翌週の第1営業日)となります。
米国でも、メジャーSQのようにSQが集中する日があります。これを「トリプルウィッチング」といいます。
トリプルウィッチングとは
トリプルウィッチングとは、米国市場で株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の最終取引日が重ねる日です。3月・6月・9月・12月の第3金曜日がそれにあたります。取引量が増加して相場に波乱が起こりやすい傾向があります。トリプルウィッチングは、日本でいう「メジャーSQ」にあたる日です。
|
日経平均先物やTOPIX先物、NYダウ先物のSQ値の推移と米国(アメリカ)のSQ日を掲載
SQ値の推移や米国のSQ日の日程(カレンダー)は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。
動画で解説ーYouTube−
→[動画で解説] SQとは(オプションSQ・メジャーSQ・幻のSQ)
時期ごとに注意すべきポイント
|