損益計算書の「利益」にあたる「当期純利益」を解説します。
ー損益計算書の構成表ー
当期純利益とは
当期純利益(読み方:とうきじゅんりえき|英語:net income、net profit、net income for the year)とは、税引前当期純利益から税金を差し引いたもので、その企業の最終的な利益です。つまり、損益計算書における最終損益で、簡単にわかりやすく言えば、その企業の本当の儲けです。当期純利益は損益計算書における最終損益であるため「ボトムライン」とも呼ばれています。ちなみに、当期純利益は、貸借対照表では「利益剰余金」になります。
単に「利益」と言う場合は、この当期純利益を指すのが一般的です。
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当期純損失とは
当期純利益がマイナス(赤字)になることを「当期純損失(とうきじゅんそんしつ)」といいます。
当期純利益の求め方・計算式・見方
当期純利益は、税引前当期純利益から法人税等を差し引いた額となります。
日本では、経常利益を重視する傾向がありますが、外国人投資家は当期純利益を重視する傾向があります。ゆえに、外国人比率の高い銘柄を手掛ける際は、当期純利益の増減をしっかり見ておきましょう。どんなに売上高が伸びていても、当期純利益が伸びていなければ投資家から評価は得られません。売上高と当期純利益の両方が伸びている「増収増益」が理想的です。
企業の収益力を見るには当期純利益を見るのが基本です。当期純利益が順調に伸びていれば「成長している」と判断できます。ただし、その期に企業が資産などを売却して当期純利益が上がった場合は企業の収益が増えているとは言えないので注意が必要です。
包括利益との関係
当期純利益と包括利益の解説と関係・見方については、「決算書を読むための基礎知識」を参照してください。
当期純利益がマイナス、または少ない場合
当期純利益はマイナスになる場合もあります。税引前当期純利益から法人税等を差し引いた額がマイナスになったら「当期純損失(とうきじゅんそんしつ)」となり、株主に配当を支払う原資がないことを示します。
当期純利益が少なかったりマイナスである場合、損益計算書を見て、売上高が少ないのか経費がかかり過ぎているのか、経費がかかり過ぎているのなら同業他社の売上原価と比較して原因を探る必要があります。
当期純利益伸び率とは
当期純利益伸び率(読み方:とうきじゅんりえきのびりつ)とは、前期純利益に対する当期純利益の伸び率です。当期純利益伸び率は、その数値が大きければ大きいほど、企業が順調に伸びていることを示します。
当期純利益伸び率の計算式
当期純利益伸び率(%)=(当期純利益ー前期純利益)÷前期純利益×100
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S&P500の当期純利益の推移はこちら
米国のS&P500の当期純利益の推移(チャートと時系列)は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで掲載しています。
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