決算発表後は決算プレーが始まる
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決算発表後は、スキャルピングやデイトレーダーなどが、PERを修正する形で早い段階で株価に業績を織り込む決算プレーが始まります。素早く売買できる方はその動きについていけますが、株価の乱高下も激しいため、その動向は読み辛く、スイングトレーダ―や中長期の投資家は、本腰をいれて買いや売りを入れ辛い相場となりやすいです。株価が落ち着いてくるのは、決算発表後、数週間して決算発表を受けたアナリストが予想の修正を発表する頃となります。ゆえに、そのアナリスト予想と株価動向に注目して、今後の投資戦略を立てるのが一般的です。
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需給中心の「売りたい」時期になる
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株価は企業業績に連動しやすいものですが、決算発表後は、外部環境に変化がないのであれば材料のない時期となり、マーケットは需給中心の要因で動きやすくなります。企業業績云々より、投資家の需給が株価に影響しやすくなるのです。基本的に業績のよい銘柄は「売りたい時期」となりますので注意が必要です。
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市場予想を上回れば買い、下回れば売りと安易に考えない
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株価は市場予想に基づいて推移するのが基本形ですので、決算発表で決算の内容が市場予想を上回れば買い、下回れば売りと考えがちですが、通常、決算発表があった時は、株価は需給中心の相場つきになり、不要に一喜一憂し、右往左往して、すぐには株価への織り込みは進みませんし、主力や大型株は業績への先回り買いや売りが入っているため、業績が市場予想を上回っていても株価が下落したり、下回っていても株価が上昇したりします(詳しくは「決算発表前の株価の動き」のページを参照)。好調な決算は投資家はそれまでに先回りして買っているので、決算発表と同時に材料出尽くしで売りが出やすくなります。マーケットの状況が良い時ほど、この傾向は強くなります。基本的に決算の持ち越しは勝率が悪いので、余程自信のある銘柄でなければ決算発表前に手放しておいた方がいいです。決算発表前に利益確定しておいた方がリスクは低いです。ただし、決算発表後にそういった調整が入っても、業績がよくて、さらに業績上振れの期待が持てれば次の決算に向けて株価は上昇しやすくなります。
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業績の上方修正があっても売られることがある
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決算で業績の上方修正があっても株価は下落することがあります。詳しくは「決算で業績がよかったのに株価はなぜ下がる?」のページを参照してください。
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好業績は寄り天となりやすい
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業績の上方修正があっても売られることはありますが、好業績は、やはり投資家に好感されやすいです。ですので、投資家が好感する決算が出れば、翌日の寄付きで買い注文が多くなり、高く始まりやすいですが、多くの場合は寄り天となり、その後、株価は下落しやすいので注意が必要です。これは好業績に「やれやれ」と思った投資家の「やれやれ売り」や、好業績を事前に予想していた投資家の「材料出尽くしによる売り」が出やすいためです。
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新興株であるほど材料出尽くしの動きは大きくなる
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決算発表前までに期待値が高く、株価が上昇している銘柄は、決算発表後に株価が下落しやすいのは上記の解説の通りですが、その下落幅は主力や大型株よりジャスダックやマザーズの新興株の方が大きくなることが多いので注意が必要です。決算発表後から2日程度は下落幅が大きくなりやすく、その後、そのまま下降トレンド入りしやすい傾向もあるので注意が必要です。
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好決算の後は悪材料が出ることも・・・
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好決算が出て喜んでいたのも束の間、翌日や2日後に企業から悪材料が出ることは少なくありません。悪気があるのかないのか一概には言えませんが、基本的に好決算が出た翌日から3日後ぐらいに悪材料が出る確率が高いので、この時期の積極買いはリスクが高い可能性があります。
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その他
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その他、決算発表後の動きは「決算発表時の株価の動き」のページで解説した内容と通じるものが多いので、そちらのページもご参照ください。
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