株式分割とは
株式分割(読み方:かぶしきぶんかつ|英語:stock split)とは、既に発行されている株(株式)を一定の割合で分割することです。この”一定の割合”を「分割割合(ぶんかつわりあい)」といいます。株式分割によって保有している株数は増えます。
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株式分割の例
例えば、10%の分割であれば、保有している株数が10%増えることになります。1000株持っていれば1100株に増えることになります。配当額が変わらなければ、株式分割後は1100株分の配当が貰えることになりますので、株式分割は株主にとって増配と同じ意味になります。
ただし、株式分割では、発行済株式数が増えますが株主資本は変わらないため、需給がゆるみ、株価は理論的に下がることになります。
例えば、ある企業の株を1000株(株価1000円)保有していたとします(1000株×1000円=100万円分)。その企業が株式分割を行い「2倍分割(2:1で分割)します」となれば、保有している株は1000株から2000株に増えることになります。ただし、株主資本は変わりませんので、株価は逆に1000円から500円に下がることになります(2000株×500円=100万円分)。株式分割後、株主は「100万円分」の株を保有していることに変わりませんが、株数が増えた分だけ配当が増える(配当額が変わらなければ)というメリットがあります。
株式分割を行う理由
企業が株式分割を行うのは、株主への増配(配当額に変更がなければ)と、株式の流動性を高める意図があります。発行済株式数を増やして株価を下げれば、以前より安い投資額でその企業の株を買えることになりますので、個人投資家が買いやすくなりますし、流動性が高まるという効果が期待できるのです。また、手ごろに買える株価にして投資家の裾野が広げ、株価を上昇させる狙いもあります。
株式分割と株価
株式分割では、理論上、分割割合の比率分だけ株価は下落しますが、多くの場合、株式分割は投資家に好感されますので、その後、株価は上昇しやすいくなります。株式分割後に配当を調整されるようなことはほとんどありませんので、増配を好感するという意味もありますし、これまで、その企業の株を買いたかったけど株価が高くて買えなかったという人が株式分割によって株を買えるようになるので、需要が高まって株価が上昇しやすくなるのです。
※株式分割の権利をとるには、「権利取り最終日」までに株を保有しておく必要があります。
株式分割バブルとは
2004年、株式分割するたびに株価が急騰してバブル的状況になる「株式分割バブル」が起こりました。これはライブドアがその代表例で、ライブドアは100倍分割など極端な株式分割を繰り返していました。2004年当時は、株式分割後に新株が流通するまで1カ月程度かかり、その間は品不足になるので株価が急騰、ライブドアはその株価が急騰している間に増資を行って資金を集めていました。これが当時の株式分割バブルの典型例です。
ただし、これはいけないと現在は株式分割の翌日から新株が流通するよう改正され、こういった事態は起こらなくなりましたし、東証(東京証券取引所)が極端な株式分割はしないよう促しています。
株式併合とは
株式分割とは逆に、1株以上の複数の株式を1株にすることを「株式併合(読み方:かぶしきへいごう)」といいます。
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