資産効果とは(わかりやすく)
資産効果(読み方:しさんこうか|英語:asset effect)とは、資産の価格や残高の実質価値が高まることによって、消費や投資が活性化することです。
例えば、保有している株式や土地の価格が上昇すれば資産が増えます。これによって消費や投資が増えることを、一般的に「資産効果」といいます。本来はデフレーションによる資産の実質価値の増加によって消費や投資が増えることをいい、これはイギリスの経済学者であるアーサー・セシル・ピグー(Arthur Cecil
Pigou)が主張した考えであることから「ピグー効果(pigou effect)」とも呼ばれます。
※資産の価格や残高の実質価値が低下することによって、消費や投資が減少することを「逆資産効果」といいます。
|
ピグーとケインズの相違点
ピグーは、デフレーションによって資産の実質価値の増加すれば、消費や投資が増えると考えました。労働者の貨幣賃金を引き下げれば、それに伴って物価は下落します。それは名目で資産の実質価値を高めることになるので、消費の増加につながり、生産と雇用が増え、失業者を減らせるとしました。
一方、ケインズは、貨幣賃金を引き下げれば消費の低下を招き、それに伴う物価の下落は生産と雇用が増える要因とはならず、失業者を減らせないとしました。
金融政策と株価上昇による資産効果
日本では、金融政策の有効性を検証する際、資産効果が考慮されます。株式や国債など金融資産の価値の上昇は、消費や投資を活性化させ、景気にとってプラスになるという点が重要視されています。株価上昇は資産効果が大きいため、株式市場ではブルマーケット入りした時に景気回復が期待されます。
逆に、ベアマーケット入りした時は、逆資産効果による景気後退が懸念されます。
一般的にベアマーケットが1年程度続けば、逆資産効果が起こって株価下落や景気後退の動きが活発になりやすいです。ブルマーケット時は、株価上昇による資産効果が起こりますが、ベアマーケットに移行すれば逆資産効果によって逆の動きが活発となりやすいです。
米国(アメリカ)は資産効果が大きい
米国(アメリカ)では、消費の動きの1/3程度は資産効果、すなわち株価の動きで説明される面があります。それだけ消費の動きに大きな影響を与えるため、株価の動きは消費の動きを左右します。
需給をチェックして相場を見よう
|