信用リスクとは
信用リスクとは、貸付や取引を行った相手が、倒産などデフォルト(債務不履行)におちいってしまった場合の損失の可能性のことです。
CDSの取引とは?
プレミアム(保証料)を支払ってCDSを買うと、そのCDSが対象としている債権がデフォルト(債務不履行)となった場合に、その損失を保証してもらうことができます。逆に、そのCDSを売った人は、その債権がデフォルトとなった場合は買い手に損失分を支払うこととなります。クレジット・デフォルト・スワップは、スワップという言葉がついていますので、スワップ取引のように思われますが、こういった仕組みからオプション取引となります。
CDSの市場の動きは他の金融市場にも影響を与える
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、リーマン・ショックの際に激震が走った市場として有名です。債券を担保にしているオプションなどで資金を運用しているヘッジファンドや投資目的会社は、債券を紙切れにしてしまう「デフォルト」という言葉に神経質です。どんな理由にせよ、にわかにその債券のデフォルトの危機が表面化してくると、その債券はもとより、その債券に関係する株も一気に売られることがあります。また、その債券に関係する株が売られるだけでなく、リスク回避のため、そのヘッジファンドや投資目的会社が持つ他の株式やその他金融商品も一気に売ってくる可能性が出てきますので、注意が必要となります。
金融商品は信用の上に成り立っている
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の市場のショック的な動きは、他の金融市場にもショック的に影響してきます。そもそも株式や債券などあらゆる金融商品は、信用の上に成り立っています。金融商品の根幹は信用ということもできます。根本的なことを言うと”お金”も、みんながそれをお金だと信用しているから価値がついているのです。ゆえに、信用リスクを取引しているクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の市場の動きは、金融商品を取引している投資家であれば必ず見ておいて欲しいです。
そして、さらに話を膨らませると、例えば外国人投資家が日本株に投資をする際に、まず始めに気にするのは「日本は信用できるかどうか」です。日本が信用できれば投資しますし、信用できなければ投資しません。ゆえに、外国人投資家がまず見るのはCDSということになります。これはなにも外国人投資家だからという話ではありません。国内の投資家が、ある銘柄の株を買う際も同じです。「この企業は信用できるかどうか」をまず気にするでしょう。ゆえに、CDS市場の動き、すなわち投資家の信用に対する動きというのは、投資をする上でまずチェックしておくべきものなのです。
もし、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の市場の動きが見れないという方は「米国10年国債」の利回りの動向を常にチェックしておくことをオススメします。米国の国債は世界でもっとも信用されている債券ですので、その動向というのは世界の投資家の金融商品に対する”信用”をはかるのに適しています。ゆえに、米国債の動きは常にチェックしておきましょう。
シングルネームCDSとは
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の最も単純な例としては、1つの組織(企業や国など)を対象としたもので、プロテクションの買い手が定期的にプレミアム(保険料)を支払う一方で、売り手は組織にクレジットイベント(信用事由)が起きた場合に、あらかじめ決まった債権の買い取りに応じるか、損失相当額を現金で支払うといったものです。これを「シングルネーム・クレジットデフォルト・スワップ(英語:single name CDS)」といいます。
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ファースト・トゥ・デフォルト・スワップとは
クレジット・デリバティブ取引は、クレジット・デフォルト・スワップとファースト・トゥ・デフォルト・スワップが代表的です。
ファースト・トゥ・デフォルト・スワップ(英語:FTDS/First To Default Swap)とは、複数の組織(企業や国など)からなるバスケットの中で、最初のクレジットイベントが発生した時のみ、プロテクションの買い手に一定額が支払われるものです。
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米国10年国債の利回りの推移
米国10年国債の利回りの推移は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」で確認できます。
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姉妹サイト「株式投資大百科」より
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