東証マザーズ指数先物の影響
マザ―ズは、将来の成長を見込んで投資する市場であるため、値動きが大きくなりやすい一方、空売りができる貸借銘柄は全体の15%程度で、株価が割高だと思っても空売りが出来る銘柄が少ない状況でした。それが東証マザーズ指数先物の登場によって、先物を売って現物株の急落に備えることができるようになりました。マザーズ市場の売買代金シェアの約7割は個人投資家ですので、個人投資家の投資に対する選択肢が増えたとともに、日経平均株価などに比べて少ない資金で裁定取引ができることも意味します。
一方で、ボリュームが小さく、材料一つで大きく動いてボラティリティが魅力であった市場が先物で売りが可能となったことで、それが抑えられる要因になるとの懸念もあります。
東証マザーズ指数先物取引の概要
取引時間 |
8:45〜15:15 16:30〜翌5:30 |
限月取引 |
3・6・9・12月を対象とする5限月取引 |
取引最終日 |
各限月の第2金曜(SQ)の前営業日 |
最終決済 |
SQによる差金決済 |
取引単位 |
東証マザーズ指数×1,000円 |
呼値 |
0.5ポイント刻み(1ティック=500円) |
東証マザーズ指数の証拠金
先物は「証拠金」と呼ばれる担保を払って取引を行います。東証マザーズ指数先物取引の証拠金は、大阪取引所で取引されるその他の株価指数先物同様、SPANを用いて算出されます(日経平均先物取引やTOPIX先物取引などとの証拠金相殺効果も働きます)。証拠金額は、基準日2016年7月1日時点で106,500円。
市場変更の影響
マザーズ上場銘柄で一定の成長を達成した銘柄は、東証第一部等へ市場変更が行われます。時価総額が大きい銘柄が市場変更する場合には、指数値の連続性への影響が懸念されますが、東証マザーズ指数は時価総額加重平均であり、マザーズから除外前後で連続性が担保されるように、基準時価総額が調整されます。ただし、指数値の連続性については担保されますが、構成銘柄は変更されていますので、時価総額の影響が大きい銘柄がマザーズから除外された場合は除外前後の指数の動きに注意する必要があります。
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姉妹サイト「株式投資大百科」より
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