裁定取引(読み方:さいていとりひき|英語:arbitrage|アービトラージ)とは、デリバティブの元となる(原資産となる)金融商品とデリバティブ取引の市場の間などで生じる瞬時の相場のゆがみや乖離を利用して利益を上げる取引のことです。
相場では、同じ商品に瞬時に2つの値段がつくことがあります。例えば、日経平均株価(原資産)と日経平均先物(デリバティブ)では、時間差や地域差、市場の違いなどで、価格が異なる現象が出てくることがあります。日経平均株価と日経平均先物は、日経平均株価が原資産となるので、日経平均株価と日経平均先物で価格に乖離が生じれば、いずれその2つの価格は収束しますので、安い方を買って高い方を売っておけば、その差額を儲けることができるのです。これを裁定取引といいます。相場のゆがみや乖離を利用してさや抜きを狙うのが裁定取引です。 ただし、通常は相場のゆがみや乖離は瞬時に裁定取引によって修正されますので、裁定取引ではその差額で儲けれる利ざやは小さいです。ですが、連動する価格同士で安い方を買って高い方を売る取引ですので、リスクが小さいのが一般的な見解です。逆に言えば、日経平均株価などの原資産と日経平均先物などのデリバティブの価格が連動しているのは、裁定取引があるから、ともいえます。市場では先物だけ扱う投資家や現物だけ扱う投資家がいて、そのどちらかで極端な相場を作ってしまえば、日経平均株価と日経平均先物が連動しない事態となりますので、裁定取引はそれを回避するための取引でもある、といえます。
姉妹サイト「株式投資大百科」より
姉妹サイト「株式マーケットデータ」の公式SNSです。
株式マーケットデータは、わかりやすい解説を見ながら投資のデータ分析できるサイトです。他にないデータを数多く揃えており、投資に役立つ情報をお届けしますので、よかったらフォローしてください。
公式Threads(スレッズ)はこちら 公式インスタグラムはこちら
← ヘッジとはへ戻る | トップ | スペキュレーション(投機)とはへ進む →
※その他「デリバティブ」に関する記事は以下
事前知識
金利とは
債券とは
現在価値・将来価値とは
デリバティブの基礎知識
デリバティブとは
デリバティブ取引をする目的
デリバティブ取引の利用方法
ヘッジとは
裁定取引(アービトラージ)とは
スペキュレーション(投機)とは
デリバティブの種類(先物・オプション・スワップ)
レバレッジ効果とは
先物取引の基礎
先物取引とは
現物とは
先物の市場についてーCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)とはー
証拠金・差金決済とは
先物価格と現物価格の連動
通貨先物取引とは
株価指数先物取引とは
先物と先渡しの違い
日経平均・配当指数先物とは
東証マザーズ指数先物とは
オプション取引の基礎(1)
オプションとは
オプション取引の権利と義務
コール・オプションとは
プット・オプションとは
オプション取引の買いと売りとは(オプション取引の4パターン)
プレミアム(オプション料)とは
ストライク・プライス(権利行使価格)とは
行使期間(アメリカンタイプとヨーロピアンタイプ)
ボラティリティとは
イン・ザ・マネー(ITM)、アット・ザ・マネー(ATM)、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)とは
オプションの建玉の見方
オプション取引の基礎(2)
オプション取引のレバレッジ
キャップとは(オプション)
フロアとは(オプション)
カラーとは(オプション)
デルタ/ガンマ/ベガ/セータ/ローとは(オプションの指標)
通貨オプションとは
株価指数オプションとは
合成ポジション(ストラドル・ストラングル)とは
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)とは
プット・コール・レシオとは
スワップ取引の基礎
スワップとは
金利スワップとは
LIBORとは
通貨スワップとは