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期待インフレ率とは

期待インフレ率とは



期待インフレ率とは

期待インフレ率(読み方:きたいいんふれりつ|英語:expected inflation)とは、市場(投資家)や企業、一般消費者が予測する将来の物価上昇率のことです。期待インフレ率は、実際のインフレ率の先行指標として扱われることが多く、その動向は中央銀行金融政策にも影響しやすいため注目度が高いです。

期待インフレ率の「期待」は「expected」を訳したもので、expectedはもともと「予想」という意味なので、期待インフレ率は「予想インフレ率」とも呼ばれます。



日本と米国の期待インフレ率の推移(チャート含む)

期待インフレ率の推移は、当サイトの姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認できます。



期待インフレ率を示す指標

期待インフレ率を示す指標としては、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)があります。

ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)とは、物価連動国債利付国債金利差から市場(投資家など)が計算し予測した将来の物価上昇率です。実際のインフレ率との連動性が高く、その数値は日々更新され速報性も高い指標のため注目度は高いです。ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、これを「期待インフレ率」ということもあるので、一般的に期待インフレ率を確認する際は、このブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が見られます。



期待インフレ率と日本円の関係(円高・円安への影響)

日本円(円)の予想実質金利は、

で表されます。よって、期待インフレ率が低下すれば、円の予想実質金利を押し上げて円高圧力が高まりやすくなります。逆に、期待インフレ率が上昇すれば、予想実質金利を押し下げて円安圧力が高まりやすくなります。円はこの傾向が強い面があります(そうならない場合ももちろんあります)。



先行きの期待インフレ率を予想する方法

先行きの期待インフレ率を予想する場合、「消費者物価指数(CPI)」や、「企業の物価見通し」が参考になります。「企業の物価見通し」は日銀短観で確認できます。

例えば、日本の企業は足許の物価で先々のインフレがどうかで期待をみる適合的な期待形成が強く働くので、足許の物価動向が期待インフレ率に大きく影響しやすいです。



共通インフレ期待指数(CIE)の推移(チャートと時系列)

米国(アメリカ)の期待インフレ率は原油との連動性が高く、一時的なイベント(地政学リスク)にも振らされやすい傾向があるため、実際の期待インフレ率を反映しているのか、よくよく議論されています。そこでFRB(連邦準備制度理事会)が独自に開発したのが「CIE(共通インフレ指数)」です。共通インフレ期待指数も姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで掲載しています。現在は、期待インフレ率とCIE(共通インフレ期待指数)の両方を見てインフレ期待を判断するのが一般的です。



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