PMI(読み方:ぴーえむあい|英語:Purchasing Managers’ Index|意味:購買担当者景気指数)とは、製造業やサービス業の購買担当者に生産の業況感をアンケート調査し、受注や受注残、生産や雇用、価格や購買数量などの指数に一定のウェイトをかけて指数化したものです。PMIは加重平均で算出されます。 |
PMI(購買担当者景気指数)は、「購買担当者」に業況感のアンケート調査を行っているということにポイントがあります。購買担当者は、製品の需要動向や、取引先の動向などを見極めて仕入を行うため、今後の景況感を敏感に反映する可能性が高いとされます。よって、PMI(購買担当者景気指数)は、マクロ指標の先行指標として将来の景気動向を占う指標として用いられます。
また、PMI(購買担当者景気指数)は、世界の多くの国で用いられていますので、世界的に注目度が非常に高い指数です (特に中国やユーロ圏のPMIは注目度が高い)。日本でも日本資材管理協会がPMIを「JMMA製造業PMI」として毎月発表しています。ですが、日本のPMIはその歴史が浅いことから、まだ注目度は低いです。
PMIを調査しているのは、英国(イギリス)の民間調査会社IHSマークイット(maekit)です。世界40以上の国と地域2万8000社以上の企業にアンケート調査を行っています(「PMI」はIHSマークイットの登録商標となっています)。
PMIを算出する際のアンケートは、例えば「生産高」について、先月と比べて「高いですか?低いですか?同じですか?」といった内容で、売上や生産など、様々な事業で月ごとに変化があったかを質問しています。先月に比べて3択で回答してもらう単純明快なアンケートとなっているため、回答する側も答えやすいようになっています。アンケートは、製造業であれば12問、サービス業であれば8問だけとなっており、数が少ないため電話で数分で済む場合もあります。アンケートの返答率は85%-90%と非常に高いのが特徴です。
PMIは、製造業であれば多くの知識を持っている購買担当者に調査を行い、サービス業であれば、サンプルベースが異なるので、財務や営業・マーケティングの責任者を対象に調査を行います。
PMIは、50を業況感の分岐点としており、50を下回れば業況感が悪く、50を上回れば業況感が良いとされ、景気の先行指標として扱われます。
PMIは、1992年に開発されました。PMIは、正確でタイムリーな業況感を示す指標として認知されており、経済のトレンドを予測する指標として使われています。GDPや鉱工業生産、雇用、インフレを示す指標も経済の予測をするには役立ちますが、PMIはそれらの指標に先んじて発表されるため、世界で最も市場を動かす経済データとしてランク付けされています。例えば、GDPであれば、1-3月期のデータが5月中旬に発表されますので、最大で4カ月程度のタイムラグがありますが、PMIは前月の業況感が翌月の第1週に公表されますので、1、2週間程度前の業況感がすぐにわかる指標となっています。
また、PMIは世界各国で同様のアンケートと集計方法を採用しているため、国民性などの差異が出にくく、世界共通の尺度で集計している数少ない優れた指標として捉えられています。
PMIは、株価との連動性が高い傾向があります。世界の製造業の景況感を示すグローバル製造業PMIと、世界の株の動向を示す世界株指数(MSCI ACWI インデックス)は、ほぼ同じ動きになる傾向があります。
PMIで特に注目されるのは「製造業PMI」です。製造業は一般的には景気の波を作るとされています。ゆえに、製造業の動きを見れば景気の変化を察知しやすく、市場で非常に重要視されています。
製造業は世界の景気循環の起点となりやすい傾向があります。それは、製造業は個人消費より変動が大きく、サービス業とは異なって貿易で世界の経済活動とつながりやすいためです。グローバル製造業PMIは世界の製造業の景況感を示す指標です。世界の貿易量の上下に影響しやすいグローバル製造業PMIの推移は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。
米国(アメリカ)の製造業PMIは、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。
中国国家統計局が公表している「中国製造業PMI」と、財新(Caixin)とIHSマークイットが公表している「中国財新(Caixin)製造業PMI」は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。
中国国家統計局が公表している「中国非製造業(サービス業)PMI」と、財新(Caixin)とIHSマークイットが公表している「中国財新非製造業(サービス業)PMI」は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。
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