ISM非製造業景況指数(読み方:あいえすえむひせいぞうぎょうけいきょうしすう|英語:ISM United States Non-Manufacturing
Purchasing Managers Index)とは、全米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が発表する、米国企業の景況感(センチメント)を示す指数で、毎月第三営業日に発表される経済指標です(非製造業とは主にサービス業を指します)。 |
ISM非製造業景況指数は、米国の非製造業(370社以上)の購買担当者を対象に、新規受注、生産、入荷、雇用、在庫の状況をアンケート調査して指数化した指標であるため、信頼度の高い数値として注目度が高いです(値は季節調整されています)。購買担当者は、需要動向の変化や傾向を評価しているため、今後の景況感を敏感に反映する可能性が高いとされます。
ISM非製造業景況指数は、米国企業(非製造業)に直接アンケートを実施して景況感を指数化していることから、米国の景気動向に先行する景況感として判断され、マインド指標として扱われます。日本で言えば日銀短観と似た統計であることから、重要視されやすい経済指標です。ただし、ISM非製造業景況指数は、ISM製造業景況指数に比べてGDPへの影響は少ないです。
景況感(センチメント)の解説企業の景況感(センチメント)は、今後の景気動向を計るための重要な経済指標です。金融商品の相場は将来を予見して動きますので、景況感の変化は材料視されやすいです。景況感調査は、アンケートという形で調査されるものです。 経済指標の解説経済指標とは、各国政府や中央銀行、経済関連の省庁が発表する経済の統計です。経済指標では、金利や雇用、生産、物価、景況感(センチメント)、消費、貿易収支などが、それぞれ数値化されて発表されます。経済指標はその国の経済状況を示しますので、経済指標はファンダメンタルズ分析の根幹を成すものです。 マインド指標とはマインド指標とは、景況感など企業や消費者のマインドを数値化した指標のことです。 |
ISM非製造業景況指数は、50を景況感の分岐点としており、
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を示します。また、市場の事前の予想数値と見比べることも重要です。もし、市場の事前の予想値よりISM非製造業景況指数の数値がよければ好感されますし、悪ければ失望されます。また、市場の事前の予想値から大きく乖離した数値が出れば、サプライズとして株式市場や為替市場の相場は大きく変動する要因ともなりますので注意が必要です。通常、事前の予想数値より高ければドル買い要因(ドル高要因)、低ければドル売り要因(ドル安要因)となります。
ドル買い・ドル売りの解説ドル買いとは、外国為替市場において、ドル(米ドル)を買って他国の通貨を売ることです。ドルが買われるということは、他国の通貨に対してドルの価値が高まっている状態ですので「ドル高」となります。通貨ペアの「ドル/円」で言えば、ドルの買い需要が相対的に日本円より高まれば、ドル/円の為替レートは、円安ドル高に推移します。 ドルの価値を示す指標はどんなものがある?ドルの価値を示す指標として「ドルインデックス(ドル指数)」があります。ドルインデックスの推移は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」で確認することができます(下記にリンク先を貼っておきます)。 |
米国のサービス部門の景況感を示す指標として、ISM非製造業景況指数の他に、マークイット(IHS Markit)が公表している「米国サービス業PMI(Markit
United States Services Purchasing Managers Index)」があります。
ISM非製造業景況指数は、大企業を中心としたサーベイであるのに対し、米国サービス業PMIは、ISM製造業景況指数より調査対象が多く、民間企業の情報しか含まれておらず、中小企業も含まれるため、米国のサービス部門全体を反映しやすい特徴があるため、ISM非製造業景況指数と米国サービス業PMIは合わせて見た方がいいです。
米国サービス業PMIの解説は「米国サービス業PMI(購買担当者景気指数)とは(ISM非製造業景況指数との違い)」を参照してください。
ISM非非製造業景況指数の推移は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」の以下のページで確認することができます。米国サービス業PMIとの比較チャートも掲載していますので参考にしてください。
雇用
生産
物価
景況感(センチメント)
貿易収支
雇用
生産
物価
景況感(センチメント)
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