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新興国のドル建ての債務についてCONCEPT

新興国のドル建ての債務について

リーマンショック後、日米欧の中央銀行による金融緩和によって膨らんだ緩和マネーは、世界経済デフレスパイラルに陥るのを回避しましたが、同時に流動性供給により新興国に膨大な資本が流入することとなりました(主に米国の投資信託ヘッジファンド、年金などが新興国でのドル建ての資金の供給を行ってきました)。







米国で金融緩和が行われて米国の通貨(ドル)が安くなり、新興国の通貨が高くなる局面では、新興国の企業にとってドル建ての債務は有利に働きやすくなります。ですが、逆に米国で金融緩和が縮小(or終了)されたり、利上げが開始されたりすると、米国の通貨は高くなり、新興国の通貨は安くなりますので、ドル建ての債務は新興国の企業にとって返済負担の厳しいものとなり(対自国通貨建て債務から見て)、業績悪化や信用力の低下を引き起こしやすくなります。


また、新興国の企業にドル建ての債務を担っていた米国の投資信託やヘッジファンド、年金などは、資金を自国へ引き揚げようとします。そうなれば、新興国にとっては業績悪化や信用力の低下に加えて、資金調達がしたくてもしにくい状態となってしまい、世界的に新興国経済への懸念が大きく出て世界経済を大きく揺るがす事態になりかねない、と考えられます。


:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ

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