株式投資は、株価が割安な時に買って割高になったら売るのが鉄則なので、高PERの銘柄は投資対象から外すべきなのですが、高PERでもさらに株価が上がる場合もありますし、どうしてもその銘柄に投資したいという場合もありますので、高PERでも投資対象となりえる、メリットとなりやすい銘柄を以下に記します。
@高成長見込みの銘柄 |
今後、高い成長率が見込まれている銘柄は、高PERでも投資対象となります。高い成長率とは、その企業が行っている事業がブームとなっており、その事業のブームが一時的なものでなく、10年から20年高い収益が出るであろう事業を行っている銘柄は、高PERでも投資対象となります。そういった銘柄は比較的長くトレンドが続きやすいので手掛けやすい銘柄と言えます。ただ、10年から20年高い収益が出るかどうかは見通せないので、「3年後はどうか」を意識して検討するのがいいです。 |
A特別損失で高PERになっている銘柄 |
特別損失が出て、一時的に高PERになっている銘柄は投資対象となりえます。ただし、営業利益率と経常利益率が20%以上の銘柄に限ります。 |
BPEGレシオで判断する |
新興市場の銘柄などで、成長性が期待されて高PERなのに買われているような銘柄の投資判断をする際に、よく使われる株価指標に「PEGレシオ」があります。PEGレシオは、そこまで知られている株価指標ではないので信頼性に疑問はありますが、高PERの銘柄、特に新興市場の銘柄を手掛ける際に参考にされる投資家も多いです(そういった株価指標はPEGレシオしかない、ということもあります)。 |
PERとはPERとは、「株価収益率」と呼ばれ、株価をEPS(1株当たり利益)で割って計算されるものです。 |
PERはあくまでも相対的なものなので、何倍が妥当な水準であるかといった基準はありません。PERの妥当な水準は、その時々のマーケットの環境によって変わるものです。ゆえに、PERの数字だけを見て20倍以下なら割安だ!というような判断は正しくないです。 PERが20倍以下なら割安だ!と言われていた時代もあれば、16倍以上なら割高だ!と言われる時代もあるのです。また、PERは業種や個々の銘柄によって、妥当な水準は違うものなので注意が必要です。
そもそもPERというのは、かなり曖昧な株価指標です。PERとは、その株式がEPS(1株当たり利益)の何倍まで買われているかを示す株価指標なのですが、なぜEPSの何倍かの価値を株式市場に参加する投資家はその株式につけるのでしょうか?企業が利益のうちから出す配当を上げれば配当利回りが上がるので、PERが低ければ割安!と判断されることもありますが、企業の利益は一定程度留保金などに回しておかなければ、いざという時に経営が困難になりますので、配当とPERの関係を基準に判断するのは、それ相応の土台となるものが必要となります。また、PERの基準は投資家のコンセンサスと言うことができますが、投資家がEPSの何倍かの価値をつけるには、それ相応の土台となるものが必要となるのです。
株式だけでなく金融商品全般に言えることですが、金融商品全般の土台となっているものは「信用」です。信用があるから投資家は金融商品に大事なお金を投資することができるのです。信用のないものに何倍かの価値を投資家がつけるわけはありませんので、PERの土台も投資家の信用であるということができます。
ただ、「信用」というのはかなり曖昧なものです。何か大きな悪材料が出て金融商品に対する「信用」がなくなれば、投資家は容赦なくその金融商品を売ることとなります。それはリーマンショックがいい例です。リーマンショックの時は、CDSという市場が大きくクラッシュしたことにより金融市場全体に大きな影響がでることとなりましたが、CDSという市場は、そもそも信用リスクを取引している市場です。リーマンショックは、リーマン・ブラザーズという投資銀行が破綻したことがフォーカスされましたが、金融市場ではCDSのクラッシュがフォーカスされていました(この詳しい解説は「PER(株価収益率)」と「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)とは」のページを参照してください)。
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