経済大国である米国の大統領選の行方は、米国だけでなく世界の金融市場に大きな影響があります。
米国では4年に1度、大統領選を争う候補者を、原則、 民主党と共和党の二大政党がそれぞれ決めます。両党とも全米50州と首都であるワシントンで予備選などを行い、州の人口に応じて代議員を選びます。そして
過半数の代議員を確保した候補が党大会で正式な大統領候補として指名され、大統領選へと進みます。
これらの動きを世界の金融市場は注目しており、どの候補者が優勢か、今後政策はどのように変わりそうかを予測し、相場に反映させます。大統領選が近づくにつれ、その影響は出やすくなってくるのですが、では、どの候補者が選ばれれば金融市場にとってプラスになるのでしょうか?それを予測するためにも、まずは「米国大統領の使命」について簡単に解説しておきます。
米国大統領の使命とは米国の大統領の使命とは、米国の国民の生命と財産を守ることです。生命を守るとは、軍事力を維持し世界の米国であり続けることです。財産を守るとは、米国の国民の雇用を守り、経済を安定させることです。 |
上記「米国大統領の使命」を踏まえた上で、大統領選で優勢な候補者が今後の米国にとってリスキーであると市場 が判断すれば株価にとってはマイナス要因、期待が持てればプラス要因、これまで通りであれば織り込み済みとして働きます(ただし、株価はそれらに先行して動くものなので、出尽くしなどの影響が出ることは事前に考えておかなくてはなりません)。
1929年以降のNYダウの年騰落率平均では、候補者にもよりますが、民主党の候補者が当選した場合と共和党の候補者が当選した場合では、民主党の候補者が当選した場合の方が任期4年の間のNYダウの騰落率は高い傾向にあります。参考までに、以下に大統領任期4年のNYダウの上昇率を載せておきます。
大統領 |
任期4年のNYダウの上昇率 |
カーター氏 | -4% |
レーガン氏 | 1期目 26% 2期目 79% |
クリントン氏 | 1期目 95% 2期目 67% |
ブッシュ氏 | 1期目 0% 2期目 -19% |
オバマ氏 |
大統領選後は世界的に株価は大きく下がるケースもありますので、基本的にはこういったビッグイベントの際は、株価に方向性が出るまで投資は控えるのが賢明です。実際、民主党のオバマ氏が当選した時は株価は急落したので、方向性が出るまで様子を見ておいた方がいいでしょう。
1988年以降、11月にある投票日前まで為替(ドル/円)は、円安ドル高に進みにくい展開が続き、投票日後は円安ドル高に進みやすい傾向があります(92年の貿易摩擦、2008年のリーマンショックの時以外)。これは、投票日が近づくにつれて候補者は国内向けの保護的な発言が多くなり、ドル安の材料が多くなるからです。投票日後は政権の政策への期待が高まり、ドル高となりやすい傾向があります。
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