世界経済の悪化要因と懸念される欧州の金融不安。欧州の金融機関のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のスプレッド(保証料)は大きく上昇し、マーケットの波乱要因となりました。その背景には一体何があったのでしょうか? |
欧州の金融機関を取り囲む状況を整理すると、主に以下のような状況にあります。
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こういった欧州の金融機関を取り囲む状況の中で、欧州の金融不安が起こりました。その背景には以下のような要因があります。
欧州の金融機関は、中東向けや中国向けの貸出が多いです。その状況で原油安が加速し、中国景気も減速。引当を積むと資本が減少するとの観測から金融不安が起こった要因の一つとなっています。
欧州には不良債権問題がありますが、特にイタリアはこれまで不良債権について言及していませんでした。そのイタリアが不良債権処理について言及したのですが、その内容が不十分と市場は判断、また欧州が低成長であることから、さらに不良債権が多くなるのではない か?との懸念から金融不安が起こった要因の一つとなっています。
金融不安が起こった最も大きな要因となったのが、ドイツ銀行の偶発転換社債(CoCo債)のAT1債の利払い問題です。AT1債とは、偶発転換社債(CoCo債)の一種なのですが、あまり知られていない債券であったことが金融不安が大きくなった要因です。債券は金利を支払わなければ債務不履行(デフォルト)となりますが、AT1債の場合、金利の支払いは発行体である金融機関の判断によるのですが、市場がそれをよく理解していなかったため、どういったリスクが生じるのかわからず、不安心理が働き、金融不安へと繋がりました。
これらの問題は根本的にはまだ解決していません。ECB(欧州中央銀行)がマイナス金利を拡大させれば欧州の金融機関の収益は悪化しますし、欧州の低成長が続く限り、いつ再燃してもおかしくない問題です。ただ、ECBにはセーフティーネットがありますので、一定程度安心できる面はあります。
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